ヤギ2分離胚の移植試験

過排卵処置を施した日本在来種のヤギより採取した2細胞期胚~桑実胚を2つの異なった方法を用いて均等に2分離あるいは切断し,2分離胚の生存性を調べた。方法Aは,WILLADSEN7)の方法に従って実施し,また方法Bはガラス針を用いる切断法によって実施した。得られた結果の概要は次の通りである。 1.方法Aでは,39個の2~8細胞期胚を分離したが,そのうち28個の胚でTwin胚の作製に成功した。Twin胚をヤギあるいは家兎の結紮卵管内に移植して一時的に体内培養し,3~5日後回収したところそれぞれ42%および43%が回収され,そのうち40%および100%が桑実胚~胚盤胞に発育していた。ヤギ卵管より回収し...

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Published inKachiku hanshokugaku zasshi (Tōkyō. 1977) Vol. 29; no. 3; pp. 154 - 157
Main Authors 小島, 敏之, 相馬, 正, 角田, 幸生, 杉江, 佶, 小栗, 紀彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本繁殖生物学会 01.09.1983
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ISSN0385-9932
DOI10.1262/jrd1977.29.154

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Summary:過排卵処置を施した日本在来種のヤギより採取した2細胞期胚~桑実胚を2つの異なった方法を用いて均等に2分離あるいは切断し,2分離胚の生存性を調べた。方法Aは,WILLADSEN7)の方法に従って実施し,また方法Bはガラス針を用いる切断法によって実施した。得られた結果の概要は次の通りである。 1.方法Aでは,39個の2~8細胞期胚を分離したが,そのうち28個の胚でTwin胚の作製に成功した。Twin胚をヤギあるいは家兎の結紮卵管内に移植して一時的に体内培養し,3~5日後回収したところそれぞれ42%および43%が回収され,そのうち40%および100%が桑実胚~胚盤胞に発育していた。ヤギ卵管より回収した8個の発育胚を4頭の受卵ヤギに移植した結果,2頭が受胎し,それぞれ1頭の雌および雄の子ヤギを分娩した。しかしながら,一卵性双子を得るには至らなかった。実兎卵管より回収した3個の発育胚を2頭の受卵ヤギに移植したところ,性周期の40日および41日目に発情を示し分娩には至らなかった。 2.方法Bを用いて,16細胞期胚~桑実胚を切断したところ,26個中20個(78%)でTwin胚が作製できた。これらの2分離胚を体外で16~20時間培養したところ,12個(30%)の胚で発育が観察された。これらの発育胚を5頭の受卵ヤギに移植したが,いずれも初回予定日に発情を示し,受胎例は得られなかった。
Bibliography:282244
ZZ00021434
ISSN:0385-9932
DOI:10.1262/jrd1977.29.154