ケラジ (Citrus keraji) における果実品質の時期別変化とそれらの相互関係

鹿児島県喜界島の特産カンキツであるケラジ (Citrus keraji) の果実品質の時期別変化と品質構成要因の相互関係について検討した. 果実成熟に伴う着色の進展はケラジでウンシュウミカンよりも遅かったが, 酸含量の減少パターンはウンシュウミカン‘興津早生’とほぼ同じであった.ケラジの糖度 (Brix) は‘興津早生’よりもやや高く, 2月まで増加した.収穫期の糖組成はショ糖の割合が最も高く, 次いで果糖, ブドウ糖の順であり, ‘興津早生’と大差なかった.一方, 有機酸組成では, 10月以降リンゴ酸が増加し, 1月および2月にはクエン酸の約40%となり, ‘興津早生’に比べて特異的であった...

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Published inNettai nōgyō Vol. 49; no. 4; pp. 280 - 287
Main Authors 小橋, 謙史, 吉岡, 照高, 松本, 亮司, 山本, 雅史, 河野, 留美子, 橋本, 文雄, 上野, 景子, 冨永, 茂人
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本熱帯農業学会 01.12.2005
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ISSN0021-5260
2185-0259
DOI10.11248/jsta1957.49.280

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Summary:鹿児島県喜界島の特産カンキツであるケラジ (Citrus keraji) の果実品質の時期別変化と品質構成要因の相互関係について検討した. 果実成熟に伴う着色の進展はケラジでウンシュウミカンよりも遅かったが, 酸含量の減少パターンはウンシュウミカン‘興津早生’とほぼ同じであった.ケラジの糖度 (Brix) は‘興津早生’よりもやや高く, 2月まで増加した.収穫期の糖組成はショ糖の割合が最も高く, 次いで果糖, ブドウ糖の順であり, ‘興津早生’と大差なかった.一方, 有機酸組成では, 10月以降リンゴ酸が増加し, 1月および2月にはクエン酸の約40%となり, ‘興津早生’に比べて特異的であった.機能性成分であるポリメトキシフラボン (PMFS) は高含量を有し, 果汁ではポンカンと同程度であった.果皮ではポンカンおよびシイクワシャーよりも少なかった. 果実諸形質の相互関係をみると, 着葉数, 果梗の太さおよび果面の粗滑と果実重との間に正の相関関係が認められた.果面の粗い果実の糖度は低くなる傾向にあった.果実の大きさと酸含量との間には負の相関関係があったが, 糖度との間には相関関係が認められないことが特記される.果皮の着色と糖度との問には正の相関があった.種子数と果実重との間には有意な相関は認められなかった.
Bibliography:722267
ZZ00014546
ISSN:0021-5260
2185-0259
DOI:10.11248/jsta1957.49.280