低濃度多量散布の静電散布装置に関する研究 キャベツに対する付着特性と害虫防除効果

開発した低濃度多量散布のブームスプレーヤ形静電散布機を供試し,キャベツに対する噴霧液滴の付着特性と,害虫防除効果を明らかにした。室内実験の結果,キャベツの模擬作物体に貼付した感水紙に対する静電散布の付着特性は,微粒子の付着が増加し,噴霧量140L/10aにおける模擬作物体結球側面の感水紙被覆面積率は,無荷電散布の30.5%に対し,静電散布では50.4%に増加した。また静電散布では被覆面積率の変動係数が小さく,付着の均一性が向上した。露地キャベツ栽培圃場における実証試験の結果,散布量140L/10aの静電散布の害虫密度は,散布量200L/10aの慣行散布と差が認められず,静電散布が防除効果に与え...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNōgyō Kikai Gakkaishi Vol. 72; no. 1; pp. 54 - 62
Main Authors 大村, 和宏, 山根, 俊, 宮崎, 昌宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 農業食料工学会 01.01.2010
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0285-2543
1884-6025
DOI10.11357/jsam.72.54

Cover

More Information
Summary:開発した低濃度多量散布のブームスプレーヤ形静電散布機を供試し,キャベツに対する噴霧液滴の付着特性と,害虫防除効果を明らかにした。室内実験の結果,キャベツの模擬作物体に貼付した感水紙に対する静電散布の付着特性は,微粒子の付着が増加し,噴霧量140L/10aにおける模擬作物体結球側面の感水紙被覆面積率は,無荷電散布の30.5%に対し,静電散布では50.4%に増加した。また静電散布では被覆面積率の変動係数が小さく,付着の均一性が向上した。露地キャベツ栽培圃場における実証試験の結果,散布量140L/10aの静電散布の害虫密度は,散布量200L/10aの慣行散布と差が認められず,静電散布が防除効果に与える影響は明らかでなかった。収穫物の収量・品質は同等であった。
Bibliography:782857
ZZ00015065
ISSN:0285-2543
1884-6025
DOI:10.11357/jsam.72.54