アブラムシの高次寄生蜂Dendrocerus carpenteri(ハチ目: オオモンクロバチ科)の既寄生寄主識別 : 行動過程とマーカーの化学的特性

アブラムシの高次寄生蜂Dendrocerus carpenteriがマミーとの接触から産卵までのどの段階で既寄生寄主識別を行うかを調査するとともに,同種または同所的に存在する他種Asaphes suspensusによる既寄生寄主の識別の際にD. carpenteriが用いるマーキング物質の化学的特性を評価した。この結果,D. carpenteriは,寄生種によらずマミー表面を触角でドラミングする際に既寄生寄主を識別し,同種よりもA. suspensusに寄生された寄主に対し強い忌避反応を示した。また,寄主識別に用いられるマーキング物質はD. carpenteriではメタノール,A. suspe...

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Published inNihon Ōyō Dōbutsu Konchū Gakkai shi Vol. 60; no. 2; pp. 87 - 92
Main Authors 渋谷, 真理, 松原, 一世, 安田, 哲也, 仲島, 義貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.05.2016
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ISSN0021-4914
DOI10.1303/jjaez.2016.87

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Summary:アブラムシの高次寄生蜂Dendrocerus carpenteriがマミーとの接触から産卵までのどの段階で既寄生寄主識別を行うかを調査するとともに,同種または同所的に存在する他種Asaphes suspensusによる既寄生寄主の識別の際にD. carpenteriが用いるマーキング物質の化学的特性を評価した。この結果,D. carpenteriは,寄生種によらずマミー表面を触角でドラミングする際に既寄生寄主を識別し,同種よりもA. suspensusに寄生された寄主に対し強い忌避反応を示した。また,寄主識別に用いられるマーキング物質はD. carpenteriではメタノール,A. suspensusではメタノールとヘキサンに可溶性の成分であることが示唆された。
Bibliography:902312
ZZ00014825
ISSN:0021-4914
DOI:10.1303/jjaez.2016.87