多層フイルム式ドライケミストリーの低アミロ小麦選別への適応性

多層フィルム式ドライケミストリーによる低アミロ小麦の簡易迅速選別法の可能性を検討した。α-アミラーゼ活性を簡易に測定するために基質に修飾オリゴ糖(EPS:4-Nitrophenyl-α-D-maltoheptaoside-4、6-o-eth-ylidelle)を用いて測定用スライドを試作した。α-アミラーゼ活性とアミログラム最高粘度(以下、アミロ値と称する)およびフォーリングナンバー値は材料に北海道の主要品種であるチホクコムギとホクシンを用い、健全粒に様々な割合で発芽粒を混合して調製した小麦粉と全粒粉で測定した。α-アミラーゼ活性とアミロ値およびフォーリングナンバー値それぞれの対数値の間の相関...

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Published inJapanese journal of crop science Vol. 70; no. 4; pp. 588 - 594
Main Authors 一ノ瀬, 靖則, 桑原, 達雄, 高田, 兼則, 西尾, 善太, 堀金, 彰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.12.2001
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ISSN0011-1848

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Summary:多層フィルム式ドライケミストリーによる低アミロ小麦の簡易迅速選別法の可能性を検討した。α-アミラーゼ活性を簡易に測定するために基質に修飾オリゴ糖(EPS:4-Nitrophenyl-α-D-maltoheptaoside-4、6-o-eth-ylidelle)を用いて測定用スライドを試作した。α-アミラーゼ活性とアミログラム最高粘度(以下、アミロ値と称する)およびフォーリングナンバー値は材料に北海道の主要品種であるチホクコムギとホクシンを用い、健全粒に様々な割合で発芽粒を混合して調製した小麦粉と全粒粉で測定した。α-アミラーゼ活性とアミロ値およびフォーリングナンバー値それぞれの対数値の間の相関は高く、α-アミラーゼ活性の増加に伴ってアミロ値とフォーリングナンバー値は低下した。このことから、α-アミラーゼ活性をもとにしてアミロ値およびフォーリングナンバー値の推定が可能であることが確認された。また、農家圃場より収穫期に採取したホクシンを対象に全粒粉のα-アミラーゼ活性とフォーリングナンバー値を測定した結果においても両者の間には負の相関関係が認められた。このときの相関係数はr=-0.672**で、低アミロ小麦の基準となるフォーリングナンバー値300secに相当するα-アミラーゼ活性値はおよそ310mUであった。本試作スライドによる小麦α-アミラーゼ活性測定は、生産現場でのα-アミラーゼ活性やフォーリングナンバー値をもとにした選別にも有効であると考えられた。
Bibliography:640978
ZZ00014890
ISSN:0011-1848