6. 悪性新生物に伴う意識障害 (傍腫瘍性辺縁系脳炎を含む)
「はじめに」がんは1981年以降, わが国における死亡原因の第1位であり, 2013年にがんで死亡した人は364,872人(人口10万人あたり290.3)で, 総死亡数(1,268,436人)の約3割を占める(http://www.mhlw.go.jp/toukei_hakusho/). また, 国立がん研究センターがん対策情報センターの「地域がん登録全国推計値」によると2010年には805,236人が新たにがんと診断されたと推計されている. Cloustonらが担がん患者の16%に精神変調あるいはてんかん発作がみられたと報告しているように, てんかん発作や代謝性脳症を呈するがん患者は多く,...
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| Published in | 日本神経救急学会雑誌 Vol. 28; no. 2; pp. 28 - 33 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本神経救急学会
11.06.2016
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| ISSN | 1619-3067 |
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| Summary: | 「はじめに」がんは1981年以降, わが国における死亡原因の第1位であり, 2013年にがんで死亡した人は364,872人(人口10万人あたり290.3)で, 総死亡数(1,268,436人)の約3割を占める(http://www.mhlw.go.jp/toukei_hakusho/). また, 国立がん研究センターがん対策情報センターの「地域がん登録全国推計値」によると2010年には805,236人が新たにがんと診断されたと推計されている. Cloustonらが担がん患者の16%に精神変調あるいはてんかん発作がみられたと報告しているように, てんかん発作や代謝性脳症を呈するがん患者は多く, 小児がん患者を対象とした検討でも少なくとも11%ががんの合併症もしくはその治療によって急激な精神状態の変化を認めたと報告されている. また, 意識障害を呈した担がん患者140人の検討では2/3が複数の原因を有したと報告されており, 担がん患者に意識障害をみた場合には, 多面的にその原因を検討する必要がある. |
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| ISSN: | 1619-3067 |