III-3 電話相談に寄せられた家族以外の人間関係相談について -年代別に見た相談対象の変化

平成18年の「家族以外の人間関係相談」(友人・男女・近隣・職場・子ども関連・その他の関係)1, 014件を平成元年の310件と比較し検討を行い, 近年(平成13年~17年)の傾向を探った. 結果, 元年との比較で友人関係は3倍に増加, 男女関係は1/3に減少し, 相談者の中心年代は元年の30代までから40~50代に移行が見られた. 近年の年代別傾向をみると, 30代まで:相談件数が毎年減少している. 友人関係は友人の境遇を心配し, 関わり方に悩んでいる. 子ども関連は親同士の付き合いに不安や苦痛を感じている. 40~50代:男女関係は金銭がからんでいる. また, 携帯電話などがトラブルになって...

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Published inこころの健康 Vol. 23; no. 2; p. 68
Main Authors 鈴木康子, 長谷川理絵子, 西川瑞枝, 善養寺圭子, 村田忠良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本精神衛生学会 2008
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ISSN0912-6945

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Summary:平成18年の「家族以外の人間関係相談」(友人・男女・近隣・職場・子ども関連・その他の関係)1, 014件を平成元年の310件と比較し検討を行い, 近年(平成13年~17年)の傾向を探った. 結果, 元年との比較で友人関係は3倍に増加, 男女関係は1/3に減少し, 相談者の中心年代は元年の30代までから40~50代に移行が見られた. 近年の年代別傾向をみると, 30代まで:相談件数が毎年減少している. 友人関係は友人の境遇を心配し, 関わり方に悩んでいる. 子ども関連は親同士の付き合いに不安や苦痛を感じている. 40~50代:男女関係は金銭がからんでいる. また, 携帯電話などがトラブルになっていた. 職場関係は家族を支える辛さがうかがえた. 60代以上:相談件数が増加している. 近隣関係は容易に距離のとれない難しさに悩んでいる. その他の関係は生活範囲の広がりが今までにない摩擦を起こしている. 以上から現代の希薄な人間関係の中で, 相手を思いやり心を通い合わせる力を育てることが必要である, と報告した.
ISSN:0912-6945