牛の赤血球中および生検肝組織中の総グルタチオンおよびグルタチオンリダクターゼ活性
5頭の牛に体重1kg当たり12.5mgのDLエチオニンを腹腔内に投与し、2頭の対照牛には生理食塩水を投与した。超音波断層装置で観察しながら、肝生検と採血を投与前、投与後4、7、10日に行った。牛の赤血球中および生検肝臓中の総グルタチオンとグルタチオンリダクターゼ活性を測定し、同時に病理組織検査を行った。肝臓はエチオニン投与後に肝細胞の膨化とグリコーゲン変性を認めた。肝臓中総グルタチオンは7日(p<0.05)と10日(p<0.01)で、肝臓中グルタチオンリダクターゼ活性は4日(p<0.05)、7日(p<0.01)および10日(p<0.01)で、それぞれ投与前に比べて有意に増加した。一方赤血球中総...
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Published in | Journal of veterinary medical science Vol. 70; no. 8; pp. 861 - 864 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
01.08.2008
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ISSN | 0916-7250 |
Cover
Summary: | 5頭の牛に体重1kg当たり12.5mgのDLエチオニンを腹腔内に投与し、2頭の対照牛には生理食塩水を投与した。超音波断層装置で観察しながら、肝生検と採血を投与前、投与後4、7、10日に行った。牛の赤血球中および生検肝臓中の総グルタチオンとグルタチオンリダクターゼ活性を測定し、同時に病理組織検査を行った。肝臓はエチオニン投与後に肝細胞の膨化とグリコーゲン変性を認めた。肝臓中総グルタチオンは7日(p<0.05)と10日(p<0.01)で、肝臓中グルタチオンリダクターゼ活性は4日(p<0.05)、7日(p<0.01)および10日(p<0.01)で、それぞれ投与前に比べて有意に増加した。一方赤血球中総グルタチオンは投与前に比べ有意差は認めなかった。これらのことから肝生検による肝臓中のグルタチオンおよびグルタチオンリダクターゼ測定は、牛の酸化ストレスの診断や肝臓障害の診断に有用であると考えられた。 |
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Bibliography: | 762104 ZZ00004754 |
ISSN: | 0916-7250 |