子宮内膜の炎症がラットの発情周期におよぼす影響
子宮内膜の炎症が卵巣の機能に影響する機構を解明するために、ラットの子宮内に炎症性変化を引き起こし、発情周期におよぼす影響を検討した。また、この時の血中のプロジェステロン濃度(P4)およびエストラジオール17β濃度(E2)の変化を調べた。発情周期中にラットの子宮内にSaphylococcus aureusの菌液(菌液)またはヨード溶液を注入して炎症性変化を誘起した。その結果、菌液を発情期、発情後期、および発情休止期1日目に注入した場合は、その後の発情休止期が5-12日間持続した。発情休止期の持続は発情後期に注入した場合にもっとも長くなる傾向があった。ヨード溶液の場合は、発情周期のいずれの時期に注...
Saved in:
| Published in | The Journal of reproduction and development Vol. 50; no. 3; pp. 361 - 367 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
01.06.2004
|
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0916-8818 |
Cover
| Summary: | 子宮内膜の炎症が卵巣の機能に影響する機構を解明するために、ラットの子宮内に炎症性変化を引き起こし、発情周期におよぼす影響を検討した。また、この時の血中のプロジェステロン濃度(P4)およびエストラジオール17β濃度(E2)の変化を調べた。発情周期中にラットの子宮内にSaphylococcus aureusの菌液(菌液)またはヨード溶液を注入して炎症性変化を誘起した。その結果、菌液を発情期、発情後期、および発情休止期1日目に注入した場合は、その後の発情休止期が5-12日間持続した。発情休止期の持続は発情後期に注入した場合にもっとも長くなる傾向があった。ヨード溶液の場合は、発情周期のいずれの時期に注入してもその後の発情休止期が6日前後持続した。発情後期にそれぞれの溶液を注入した後のE2値は、大きく変動することなく5pg/ml前後の低値で推移した。P4値は注入翌日に35-45ng/mlの高値を示し、その後急激に減少して2-4日後に基底値に達し、そのまま5ng/ml前後の低値を持続した。生物的または化学的刺激により生じた子宮内膜の炎症は、血中プロジェステロン濃度の上昇を引き起こし、これが卵胞の発育を抑制したものと推測された。 |
|---|---|
| Bibliography: | ZZ00014744 700348 |
| ISSN: | 0916-8818 |