3. 投入作業時の身体負担に関する実験的研究

本研究は, 荷台の高さ, 荷台と積み荷との距離に着目し, 反復する積み込み作業の作業負担を評価することを目的とした. 健常な成人男性8名を対象とし, 搬入台高および搬入台と搬入物との距離が異なる3条件を設定し実験した. 測定項目は, 心拍数, 酸素摂取量, 節電図であった. 荷台の高さが同一の場合は, 遠い位置からの積み込み作業時の方が近い距離に比較し作業負担が低くなる傾向が示された. 近い距離からの積み込み作業では, 荷台の高さが低い方が高い方に比較し作業負担が低くなる傾向が示された. 実験の被験者数が少なかったため, 統計的に十分な検討を行うことができなかった. しかし, 軽量物を頻回に投...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in産業衛生学雑誌 Vol. 48; no. 1; p. 31
Main Authors 村田健三郎, 城憲秀, 武山英麿, 榎原毅, 久保智英, 佐藤智明, 高西敏正, 井谷徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.01.2006
公益社団法人日本産業衛生学会
Japan Society for Occupational Health
Online AccessGet full text
ISSN1341-0725

Cover

More Information
Summary:本研究は, 荷台の高さ, 荷台と積み荷との距離に着目し, 反復する積み込み作業の作業負担を評価することを目的とした. 健常な成人男性8名を対象とし, 搬入台高および搬入台と搬入物との距離が異なる3条件を設定し実験した. 測定項目は, 心拍数, 酸素摂取量, 節電図であった. 荷台の高さが同一の場合は, 遠い位置からの積み込み作業時の方が近い距離に比較し作業負担が低くなる傾向が示された. 近い距離からの積み込み作業では, 荷台の高さが低い方が高い方に比較し作業負担が低くなる傾向が示された. 実験の被験者数が少なかったため, 統計的に十分な検討を行うことができなかった. しかし, 軽量物を頻回に投入する作業においては, 荷台の高さを低くすることや, 荷台と積み荷との距離を一定程度離すことにより, 作業時の身体負担を低くすることが示唆された. 今後被験者数を増やし, 軽量物の積み込み作業時の身体負担についてさらに検討していく予定である.
ISSN:1341-0725