28.院内発生結核事例の接触職員健診におけるQFT-TB検査の実施経験
70歳女性の多発性嚢胞腎の事例.2005年12月に肝嚢胞による閉塞性黄疸をきたし入院.全身状態の好転なく粟粒結核を発症して2006年3月に死亡.死亡前日に胸水より結核菌を同定し,喀痰はガフキー10号であった.同患者より結核菌の暴露を受けたと考えられる医療従事者56人に対して定期外ツベルクリン反応検査(以下ツ反)を実施.発赤長径は平均38±19(mm)で,42mmと70mmにピークをもつ二峰性分布を示した.ツ反強陽性群9名と対照群としてツ反陰性群9名にクォンティフェロンTB(以下QFT)検査を実施した結果,ツ反強陽性群の3名のみQFT陽性であった.この3名のうち,5年前に結核治療歴のある1名を除...
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| Published in | 産業衛生学雑誌 Vol. 49; no. 2; p. 76 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本産業衛生学会
20.03.2007
公益社団法人日本産業衛生学会 Japan Society for Occupational Health |
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| ISSN | 1341-0725 |
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| Summary: | 70歳女性の多発性嚢胞腎の事例.2005年12月に肝嚢胞による閉塞性黄疸をきたし入院.全身状態の好転なく粟粒結核を発症して2006年3月に死亡.死亡前日に胸水より結核菌を同定し,喀痰はガフキー10号であった.同患者より結核菌の暴露を受けたと考えられる医療従事者56人に対して定期外ツベルクリン反応検査(以下ツ反)を実施.発赤長径は平均38±19(mm)で,42mmと70mmにピークをもつ二峰性分布を示した.ツ反強陽性群9名と対照群としてツ反陰性群9名にクォンティフェロンTB(以下QFT)検査を実施した結果,ツ反強陽性群の3名のみQFT陽性であった.この3名のうち,5年前に結核治療歴のある1名を除いた2名を真のハイリスク群と判断し,INH予防内服を開始した.感染性結核患者と接触機会の多い施設でのッ反による結核感染の診断は難しく,QFTは真のハイリスク群を決めるために有用と思われた. |
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| ISSN: | 1341-0725 |