15.職場のメンタルヘルス~うつ病患者の一考察

今回の事例Aさん50代男性は矢巾クリニックの職員でうつ病に罹患し, カウンセラーから本院心療内科医, 矢巾クリニック院長, 外部精神科医の連携により, スムーズに受診, 治療を開始した事例です. Aさんは慣れない業務に1人で悩み, 不眠をはじめとする身体愁訴で睡眠導入剤を服用していた. 管理者で, 産業カウンセラーである筆者はAさんと面談を行った. Aさんは「頭に何か悪い病気でも」と脳疾患を心配していたが, 筆者はうつ病に罹患している可能性が高いと判断し, Aさんを納得させスムーズに外部の精神科を受診させた. 発病の原因として性格因子が一番大きいが, 子供の巣立ち, 職業生活への過剰適応がある...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 46; no. 6; p. 232
Main Author 中村祐子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.11.2004
公益社団法人日本産業衛生学会
Japan Society for Occupational Health
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ISSN1341-0725

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Summary:今回の事例Aさん50代男性は矢巾クリニックの職員でうつ病に罹患し, カウンセラーから本院心療内科医, 矢巾クリニック院長, 外部精神科医の連携により, スムーズに受診, 治療を開始した事例です. Aさんは慣れない業務に1人で悩み, 不眠をはじめとする身体愁訴で睡眠導入剤を服用していた. 管理者で, 産業カウンセラーである筆者はAさんと面談を行った. Aさんは「頭に何か悪い病気でも」と脳疾患を心配していたが, 筆者はうつ病に罹患している可能性が高いと判断し, Aさんを納得させスムーズに外部の精神科を受診させた. 発病の原因として性格因子が一番大きいが, 子供の巣立ち, 職業生活への過剰適応があると考えられる. 直接原因は役割の変化, 仕事量の増加である. 今回発症から4ヶ月も対応できなかったことへの反省は大きい. 早期発見, 治療の必要性を強く感じた. 今後の課題としては職員のメンタルヘルスチェックを実施し, 現状把握, 管理面の検討を進め組織として心身の健康を推進していきたい.
ISSN:1341-0725