精度・品質管理

輸血検査の精度・品質管理(quality control, QC)の目的は輸血療法の安全性の確保にあることは言うまでもない. 品質・精度(quality)は源流の品質と下流の品質に2大別にされ1), 前者は輸血検査用のサンプルが得られるまでの分析前過程pre-analytic phaseにおける品質であり, 患者自身と患者を取り巻く主治医や看護婦など人的要因により強く規定される. 一方, 後者は得られた輸血検査用サンプルを分析する過程analytic phaseと分析後過程post-analytic phaseにさらに分別され, analytic phaseにおいては輸血検査手順, 手技, 試...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 43; no. 4; pp. 609 - 611
Main Author 新名主宏一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.08.1997
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ISSN0546-1448

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Summary:輸血検査の精度・品質管理(quality control, QC)の目的は輸血療法の安全性の確保にあることは言うまでもない. 品質・精度(quality)は源流の品質と下流の品質に2大別にされ1), 前者は輸血検査用のサンプルが得られるまでの分析前過程pre-analytic phaseにおける品質であり, 患者自身と患者を取り巻く主治医や看護婦など人的要因により強く規定される. 一方, 後者は得られた輸血検査用サンプルを分析する過程analytic phaseと分析後過程post-analytic phaseにさらに分別され, analytic phaseにおいては輸血検査手順, 手技, 試薬, 機器などの要素により, post-analytic phaseにおいては輸血検査結果を患者に還元するシステムや人的要因によりそれぞれ規定される. すなわち, analytic phaseのQCをいくら一生懸命にやってもpre-analytic phaseおよびpost-analytic phaseにおける品質保証が十分でない場合, 真の品質保証ができない. 輸血検査においては, 源流管理を含めたtotal QCがきわめて重要である2).
ISSN:0546-1448