12. アルデヒド脱水素酵素2ノックアウトマウスによるアセトアルデヒド急性毒性の検討

ALDH2不活性型ヒトのモデル動物である. ALdh2ノックアウトマウス(Aldh2-/-を用い, アセトアルデヒド急性曝露時において毒性症状に差はないか評価した. Aldh2-/-と野生型マウス(Aldh2+/+)をアセトアルデヒド5,000ppmの密閉容器に投入し症状の観察および, 曝露4時間後の血中アセトアルデヒド濃度測定を行った. Aldh2-/-は5例中1匹の死亡を曝露中に生じたのに対し, Aldh2+/+は曝露4時間での死亡例を生じなかった. また, Aldh2+/+に比べAldh2-/-はアセトアルデヒド全身曝露による毒性症状を強く示し, 血中濃度が2倍程度高値であった. 死亡数...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 47; no. 5; pp. 234 - 235
Main Authors 一瀬豊日, 小山倫浩, 欅田尚樹, 松野康二, 松本明子, 市場正良, 小川真規, 木長健, 奈良井理恵, 村上朋絵, 山口哲右, 友国勝麿, 川本俊弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.09.2005
公益社団法人日本産業衛生学会
Japan Society for Occupational Health
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ISSN1341-0725

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Summary:ALDH2不活性型ヒトのモデル動物である. ALdh2ノックアウトマウス(Aldh2-/-を用い, アセトアルデヒド急性曝露時において毒性症状に差はないか評価した. Aldh2-/-と野生型マウス(Aldh2+/+)をアセトアルデヒド5,000ppmの密閉容器に投入し症状の観察および, 曝露4時間後の血中アセトアルデヒド濃度測定を行った. Aldh2-/-は5例中1匹の死亡を曝露中に生じたのに対し, Aldh2+/+は曝露4時間での死亡例を生じなかった. また, Aldh2+/+に比べAldh2-/-はアセトアルデヒド全身曝露による毒性症状を強く示し, 血中濃度が2倍程度高値であった. 死亡数および毒性症状をOECD TG433の分類にあてはめると, アセトアルデヒド急性曝露は1クラスの差をしめす, ヒトにおいてもALDH2不活性型と活性型のヒトの毒性に著しい差を生じる可能性がある.
ISSN:1341-0725