3.膀胱直腸障害をきたした腰椎椎間板ヘルニアの2例
腰椎椎間板ヘルニアは, ほとんどの症例が保存療法で改善する. しかし, まれに膀胱直腸障害を伴う高度の麻痺が急速に進行し, 緊急手術が必要な症例もある. 今回, その2例を経験したので報告する. 【症例1】44歳, 男性. 犬の散歩中, 急に腰痛両下肢痛シビレが出現し入院. その後数時間で麻痺が進行し, 尿閉となった. L4/5ヘルニアの診断にて緊急手術を施行した. 術後はL5以下の麻痺が残存し, 自己導尿を行っている. 【症例2】51歳, 女性. 右臀部痛にて受診. 一旦帰宅するも, 両下肢全体にシビレが出現, 排尿困難となり入院. L4/5ヘルニアの診断にて緊急手術となった. 術後はL5以...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 54; no. 1; p. 59 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
01.02.2004
Kitakanto Medical Society |
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ISSN | 1343-2826 |
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Summary: | 腰椎椎間板ヘルニアは, ほとんどの症例が保存療法で改善する. しかし, まれに膀胱直腸障害を伴う高度の麻痺が急速に進行し, 緊急手術が必要な症例もある. 今回, その2例を経験したので報告する. 【症例1】44歳, 男性. 犬の散歩中, 急に腰痛両下肢痛シビレが出現し入院. その後数時間で麻痺が進行し, 尿閉となった. L4/5ヘルニアの診断にて緊急手術を施行した. 術後はL5以下の麻痺が残存し, 自己導尿を行っている. 【症例2】51歳, 女性. 右臀部痛にて受診. 一旦帰宅するも, 両下肢全体にシビレが出現, 排尿困難となり入院. L4/5ヘルニアの診断にて緊急手術となった. 術後はL5以下の軽度の麻痺が残存するも日常生活はほぼ支障なく, 排尿は腹圧と用手圧迫で可能である. 【考察】腰椎椎間板ヘルニアの治療は, 床上安静を中心とした保存療法が基本である. しかし, まれに麻痺が急速に進行する症例もあり, 迅速な対応を念頭に置く必要がある. |
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ISSN: | 1343-2826 |