私塾からみた学校
「I 不登校"その後"が問いかける「引きこもり」」主として, 学齢期を過ぎた"不登校その後"の若者たちの学校職場家庭外の生活空間「フレンドスペース」(松戸市/大阪市)も誕生してから10年を迎えようとしている. ところで文部省が先に公表した学校基本調査(1998年8月)によると, 大幅な児童生徒の減少にもかかわらず不登校になる学齢期の子どもたちは10万人を超えたという. 無力感に打ちひしがれる知人の教師や, わが身に引きつけ戸惑う思春期の子をもつ親の姿が浮かんではまた消える. 不登校のカテゴリーも幅広くなり, 学校に通うことが子どもたちにとって, 意図的に...
Saved in:
| Published in | こころの健康 Vol. 13; no. 2; pp. 12 - 15 |
|---|---|
| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本精神衛生学会
30.11.1998
|
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0912-6945 |
Cover
| Summary: | 「I 不登校"その後"が問いかける「引きこもり」」主として, 学齢期を過ぎた"不登校その後"の若者たちの学校職場家庭外の生活空間「フレンドスペース」(松戸市/大阪市)も誕生してから10年を迎えようとしている. ところで文部省が先に公表した学校基本調査(1998年8月)によると, 大幅な児童生徒の減少にもかかわらず不登校になる学齢期の子どもたちは10万人を超えたという. 無力感に打ちひしがれる知人の教師や, わが身に引きつけ戸惑う思春期の子をもつ親の姿が浮かんではまた消える. 不登校のカテゴリーも幅広くなり, 学校に通うことが子どもたちにとって, 意図的に拒否するまでもなく, もっと緩やかな形で, "人生の選択"の一つになってきたのかもしれない. 極端な言い方をすれば義務教育の有名無実化である. また学校そのものが現代っ子にとって魅力ある空間でなく, ニーズにあわない場になっているのかもしれない. たとえば勉強なら塾があり, 通信添削があり, 高学歴な親もいる. そして遊びも個人志向が強まり一人遊び中心の文化ならその場をことさら学校に求める必要もない. つまり子どもたちにとっての"生活情報"は学校外からいくらでも獲得できる状況に変わっている. この変化に教育方針が後手に回っているのか, 取り付く島がないのか, いずれにしろ"学校ビックバン"は時間の問題だろう. ところで文部省はこの調査を踏まえ"不登校その後"の実態を追跡調査するという. |
|---|---|
| ISSN: | 0912-6945 |