卒業生に対する歯科放射線学の卒前教育に関するアンケート調査

目的:画像診断技術の進歩への対応, PBL(問題解決型学習法)を採用する試み, ならびに平成18年度から始まる研修医制度における卒後教育のあり方をふまえて教育方法およびその内容の改善の必要性を感じている. そこで, 今日まで行ってきた講義・実習内容に関する卒業生からの意見を集約し, 今後の卒前教育および卒後教育の指標の参考にすることを目的としてアンケート調査を行った. 対象・方法:調査対象は, 本学歯学部卒業生1009名の全数調査である. 調査項目は, 年齢, 卒業期, 性別, 職種とその継続年数, 講義ならびに実習時間数, 講義内容と臨床実習内容(口内法X線撮影の撮影実習とその正常解剖, パ...

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Published in歯科放射線 Vol. 41; no. suppl; p. 50
Main Authors 工藤隆治, 細木秀彦, 岩崎裕一, 川口真一, 竹内徹, 下村学, 上村修三郎, 高木康里, 橋田達雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 30.09.2001
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ISSN0389-9705

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Summary:目的:画像診断技術の進歩への対応, PBL(問題解決型学習法)を採用する試み, ならびに平成18年度から始まる研修医制度における卒後教育のあり方をふまえて教育方法およびその内容の改善の必要性を感じている. そこで, 今日まで行ってきた講義・実習内容に関する卒業生からの意見を集約し, 今後の卒前教育および卒後教育の指標の参考にすることを目的としてアンケート調査を行った. 対象・方法:調査対象は, 本学歯学部卒業生1009名の全数調査である. 調査項目は, 年齢, 卒業期, 性別, 職種とその継続年数, 講義ならびに実習時間数, 講義内容と臨床実習内容(口内法X線撮影の撮影実習とその正常解剖, パノラマX線写真ならびに口外法X線写真の正常解剖, 口内法および口外法X線写真の読影, 特殊検査の見学など)で, 同窓会名簿をもとに原則として郵送法を使用した. 回答方式は選択回答方式を中心として, 自由な意見や態度が表明できるように一部で自由回答方式を採用した. 結果・考察:返送されたアンケート用紙のうち検討対象は479通(回答率48.2%)であった. 講義・実習内容の大枠については, 肯定的な意見が多かった. しかしながら, 口内法撮影実習では撮影実施数の増加, 読影実習では口内法X線写真および口外法X写真ともに稀な疾患も含めた様々な症例の読影を望む意見が多かった. また, X線写真のみの読影にとどまることなく診断の過程でほかの診療科との連携の必要性, ディジタルX線撮影など最先端の医療技術に関する知識の提供, ならびに特殊検査, 医科領域の分野の見学実習の必要性を求める意見もあった. 以上の結果をふまえて新しい教育方法の模索, ならびに卒前教育と研修医に対する卒後教育の内容の役割分担について非常に貴重な集約することができた.
ISSN:0389-9705