10.患者の終末期を看取った家族との関わり~遺族訪問を通して

私達は今回の研究から, 看取りの観点から看護の援助の実際を考察し, その中から, 患者家族の希望に沿うための援助と, 患者死後の家族ケアの方法が示唆されたのでここに報告します. 患者の入院期間における心情の変化をキューブラーロスの死の受容過程をもとに, 3段階に分けて経時的に評価し, 看護ケアを立案実践しました. その結果, 終末期患者において, それぞれの時期に応じた対応をすることが大切であると考え, また, 入院期間及び, 遺族訪問を通し, 家族との関わりの中から, 患者家族を一個体として捉え, 家族間の役割関係の調整や死後も継続した家族ケアを行っていくことが大切であると考えました. 今後...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 53; no. 3; p. 339
Main Authors 楯綾子, 関口あずさ, 小暮幸恵, 久保田豊子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.08.2003
Kitakanto Medical Society
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ISSN1343-2826

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Summary:私達は今回の研究から, 看取りの観点から看護の援助の実際を考察し, その中から, 患者家族の希望に沿うための援助と, 患者死後の家族ケアの方法が示唆されたのでここに報告します. 患者の入院期間における心情の変化をキューブラーロスの死の受容過程をもとに, 3段階に分けて経時的に評価し, 看護ケアを立案実践しました. その結果, 終末期患者において, それぞれの時期に応じた対応をすることが大切であると考え, また, 入院期間及び, 遺族訪問を通し, 家族との関わりの中から, 患者家族を一個体として捉え, 家族間の役割関係の調整や死後も継続した家族ケアを行っていくことが大切であると考えました. 今後の課題として, 終末期における患者の心理状態を反映し, 看護ケアをさらに柔軟にすることが必要と考えています. また, 患者の入院中に面会に来られた家族からの情報収集を充実させるシステム作りをこれからしていきたいと思います.
ISSN:1343-2826