放射線治療と分子標的治療

様々な分子を標的にした分子標的治療が開発されている. 癌の増殖を抑制するシグナル伝達や血管新生の制御分子を標的にした薬剤もあり, 標的分子の中には細胞の放射線応答に関わる分子も少ない. このような観点から, 放射線治療と分子標的治療薬の併用は将来的に有望な治療となりうる可能性があり, その基礎研究が進行している. 多くの分子標的治療薬は単独でも臨床試験の段階であるが, 放射線治療との併用の臨床試験に進んでいる薬剤もある. 今後の臨床応用を目指して, 放射線増感の可能性のある分子標的治療薬あるいは分子標的を明らかにする基礎研究は重要であるため, 放射線増感を目指した分子標的の研究と臨床の現状につ...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 54; no. 3; p. 252
Main Author 秋元哲夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.08.2004
Kitakanto Medical Society
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ISSN1343-2826

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Summary:様々な分子を標的にした分子標的治療が開発されている. 癌の増殖を抑制するシグナル伝達や血管新生の制御分子を標的にした薬剤もあり, 標的分子の中には細胞の放射線応答に関わる分子も少ない. このような観点から, 放射線治療と分子標的治療薬の併用は将来的に有望な治療となりうる可能性があり, その基礎研究が進行している. 多くの分子標的治療薬は単独でも臨床試験の段階であるが, 放射線治療との併用の臨床試験に進んでいる薬剤もある. 今後の臨床応用を目指して, 放射線増感の可能性のある分子標的治療薬あるいは分子標的を明らかにする基礎研究は重要であるため, 放射線増感を目指した分子標的の研究と臨床の現状について簡単に概説する.
ISSN:1343-2826