1. 日本で最初の水稲作農耕民である弥生人の根面齲蝕と歯槽骨吸収との関係

本研究の目的は日本人の祖先であり, 最初の水稲作農耕民である弥生人の根面齲蝕と歯槽骨吸収との関連について明らかにすることである. 弥生時代(5C B.C.~3C A.D.)に属する西日本の49遺跡より出土した古人骨263体を用いて行った. 現在歯数5010本の根面齲蝕と, CEJ-AC(cementoenamel junction-alveolar crest)距離の同一個体の関係を分析した. 弥生人の歯面別平均CEJ-AC距離が大きくなると, 根面齲蝕歯面率が高くなる傾向がみられた. さらに, 根面齲蝕を有する歯面では舌(口蓋)側を除いて, 有意に大きい歯面別平均CEJ-AC距離であった....

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 62; no. 6; p. 260
Main Author 大谷信子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.02.2009
Kyushu Dental Society
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ISSN0368-6833

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Summary:本研究の目的は日本人の祖先であり, 最初の水稲作農耕民である弥生人の根面齲蝕と歯槽骨吸収との関連について明らかにすることである. 弥生時代(5C B.C.~3C A.D.)に属する西日本の49遺跡より出土した古人骨263体を用いて行った. 現在歯数5010本の根面齲蝕と, CEJ-AC(cementoenamel junction-alveolar crest)距離の同一個体の関係を分析した. 弥生人の歯面別平均CEJ-AC距離が大きくなると, 根面齲蝕歯面率が高くなる傾向がみられた. さらに, 根面齲蝕を有する歯面では舌(口蓋)側を除いて, 有意に大きい歯面別平均CEJ-AC距離であった. 弥生人骨を用いた研究で, 根面齲蝕はCEJ-AC距離に依存していることを初めて明らかにした.
ISSN:0368-6833