棒高跳における最大重心高と関係する競技者 - ポール間でのエネルギー変換

「I 緒言」棒高跳は棒 (以下「ポール」と表記) を支えとして跳び越えたバーの高さを争う競技であり, 棒高跳のパフォーマンスを高めるためには, 競技者の "身体を高く上昇させること (最大重心高)" および "バーを落とさずに跳び越えること" が鍵を握る. 特に, 最大重心高は, 地面から上グリップまでの高さである "グリップ高" と上グリップと最大重心高との高低差である "抜き" に分けることができ (Linthorne and Weetman, 2012 ; 村木, 1982 ; 安田, 1997), ポールを...

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Published in体育学研究 Vol. 68; pp. 249 - 261
Main Authors 景行崇文, 松林武生, 大山卞圭悟, 木越清信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体育・スポーツ・健康学会 01.12.2023
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ISSN0484-6710

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Summary:「I 緒言」棒高跳は棒 (以下「ポール」と表記) を支えとして跳び越えたバーの高さを争う競技であり, 棒高跳のパフォーマンスを高めるためには, 競技者の "身体を高く上昇させること (最大重心高)" および "バーを落とさずに跳び越えること" が鍵を握る. 特に, 最大重心高は, 地面から上グリップまでの高さである "グリップ高" と上グリップと最大重心高との高低差である "抜き" に分けることができ (Linthorne and Weetman, 2012 ; 村木, 1982 ; 安田, 1997), ポールを大きく湾曲させることがグリップ高および抜きの向上に寄与することが示唆されている (淵本, 1992 ; 木越ほか, 2007 ; 高松, 1998). ポールの変形を利用して身体が上昇する過程に着目すると, ポールが湾曲する局面では競技者の力学的エネルギーが減少すると同時にポールの弾性エネルギーが増大し, ポールが復元する局面ではポールの弾性エネルギーが減少すると同時に競技者の力学的エネルギーが増大する様子が報告されている (Arampatzis et al., 2004 ; Kageyuki et al., 2020 ; Schade et al., 2006 ; 高松, 1998).
ISSN:0484-6710