Next 10 Years徳島大学病院における不妊治療の取り組み
「抄録」: 日本は少子高齢社会を迎え人口減少がさらに進むことが予想され働く世代の晩婚化や未婚者が急増しており晩婚化が進むにつれて精子老化や出産年齢による不妊が問題となっている. 特に近年, 男性不妊についての理解が進み, 不妊治療における男性不妊症への対応が求められるようになってきている. 徳島大学病院では泌尿器科専門外来として男性性機能・男性不妊症を主な対象としたメンズヘルス外来を開設している. 産科婦人科学分野が不妊治療の診療・研究に古くから取り組んでおり, 特に無精子症および射精障害に対して精巣内精子採取術(testicular sperm extraction; TESE)を行っている...
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Published in | 西日本泌尿器科 Vol. 85; no. 5; pp. 317 - 323 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本泌尿器科学会
01.06.2023
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ISSN | 0029-0726 |
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Summary: | 「抄録」: 日本は少子高齢社会を迎え人口減少がさらに進むことが予想され働く世代の晩婚化や未婚者が急増しており晩婚化が進むにつれて精子老化や出産年齢による不妊が問題となっている. 特に近年, 男性不妊についての理解が進み, 不妊治療における男性不妊症への対応が求められるようになってきている. 徳島大学病院では泌尿器科専門外来として男性性機能・男性不妊症を主な対象としたメンズヘルス外来を開設している. 産科婦人科学分野が不妊治療の診療・研究に古くから取り組んでおり, 特に無精子症および射精障害に対して精巣内精子採取術(testicular sperm extraction; TESE)を行っている. TESE-Intracytoplasmic Sperm Injection (ICSI)について周産期予後まで検討した報告は少なく, 今回, 保険適応前の2008年12月から2020年12月までに当院でTESEを施行した109例の原因別治療成績と, 分娩に至った45例について周産期予後を検討した. TESEによる精子回収率は非閉塞性無精子症(non-obstructive azoospermia; NOA)では顕微鏡下精巣内精子採取術(micro TESE)を行い, 25%(14/56)だった. 閉塞性無精子症(obstructive azoospermia; OA)ではconventional TESE(c-TESE)を行い94%(33/35), 射精障害ではc-TESEを行い94%(17/18)であった. 今回の当院の治療成績を踏まえて今後のNOAの精子回収率の向上を目指した「アンドロロジー ; Next 10 Years」について述べる. |
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ISSN: | 0029-0726 |