前立腺がん画像診断の進歩と将来展望AIの基礎と画像診断へのその応用

「抄録」: 高齢化社会の到来とPSAスクリーニングの普及により前立腺癌の患者数は増加している. しかしながら, 検診にて見つかる前立腺癌は高分化な限局性癌であることが多く, 過剰診断と過剰治療が問題となる. また, 前立腺生検による病理診断と全摘標本の比較では3割の症例にupgradingを認めるとされ, 診断時の過小診断とそれに基づく過小治療も看過できない問題である. 近年進歩が著しい人工知能 (artificial intelligence; AI) の前立腺癌の画像診断への応用によるradiomicsはこれらの問題を解決する一助となる可能性を秘めている. さらにradiomicsに遺伝子...

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Published in西日本泌尿器科 Vol. 85; no. 4; pp. 96 - 101
Main Author 加藤琢磨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本泌尿器科学会 01.04.2023
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ISSN0029-0726

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Summary:「抄録」: 高齢化社会の到来とPSAスクリーニングの普及により前立腺癌の患者数は増加している. しかしながら, 検診にて見つかる前立腺癌は高分化な限局性癌であることが多く, 過剰診断と過剰治療が問題となる. また, 前立腺生検による病理診断と全摘標本の比較では3割の症例にupgradingを認めるとされ, 診断時の過小診断とそれに基づく過小治療も看過できない問題である. 近年進歩が著しい人工知能 (artificial intelligence; AI) の前立腺癌の画像診断への応用によるradiomicsはこれらの問題を解決する一助となる可能性を秘めている. さらにradiomicsに遺伝子検査を組み合わせたradiogenomicsは個別化医療の実現には欠かせないツールとなり得る. 本稿ではAIの基本事項に触れ, AIによるMRI画像診断, radiogenomicsについて最近の知見について紹介する.
ISSN:0029-0726