3. 気管腺様嚢胞癌による気管狭窄に放射線治療が有効であった1例

【背景】気管狭窄を呈した腺様嚢胞癌に対し, レーザー焼灼術後に放射線治療を行い, 良好な経過が得られている1例を経験したので報告する. 【症例】40代, 男性. 喘鳴と呼吸苦を主訴に前医を受診した. 多発する肺腫瘍と気管腫瘍を指摘され, 気管原発腺様嚢胞癌の多発肺転移と診断された. 当院外科にて腫瘍による気管狭窄に対してレーザー焼灼術が施行された. 狭窄は一時的に解除されたが3か月後に再増大し, 放射線治療が依頼された. 高度な狭窄を伴う気管原発巣に, 再度レーザー焼灼術の後, 60Gy/30回の外照射が施行された. 【結果】急性期に食道炎グレード2, また, 治療後4ヶ月にLhermitte...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 62; no. 2; p. 229
Main Authors 小此木範之, 江原威, 田巻倫明, 安藤謙, 中野隆史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2012
Online AccessGet full text
ISSN1343-2826

Cover

More Information
Summary:【背景】気管狭窄を呈した腺様嚢胞癌に対し, レーザー焼灼術後に放射線治療を行い, 良好な経過が得られている1例を経験したので報告する. 【症例】40代, 男性. 喘鳴と呼吸苦を主訴に前医を受診した. 多発する肺腫瘍と気管腫瘍を指摘され, 気管原発腺様嚢胞癌の多発肺転移と診断された. 当院外科にて腫瘍による気管狭窄に対してレーザー焼灼術が施行された. 狭窄は一時的に解除されたが3か月後に再増大し, 放射線治療が依頼された. 高度な狭窄を伴う気管原発巣に, 再度レーザー焼灼術の後, 60Gy/30回の外照射が施行された. 【結果】急性期に食道炎グレード2, また, 治療後4ヶ月にLhermitte徴候が認められたが軽快した. 放射線治療後は無治療観察中であるが治療後2年3か月の現在, 気管の再狭窄は認められていない.
ISSN:1343-2826