難治性潰瘍性大腸炎 教室例の検討

厚生省難治性炎症性腸管障害調査研究班の定義にしたがい, 当教室で経験した難治性潰瘍性大腸炎について検討を行った.対象は昭和47年から昭和62年までの15年間に, 入院または外来治療を行った潰瘍性大腸炎54例とした.そのうち難治例と判断されたものは10例で, 全体の18.5%を占めた.難治例, 非難治例を比較すると, 前者は後者に比し, 若年発症傾向, 軽症が少なく : 重症が多い傾向, 直腸炎型が少なく全大腸炎型が多い傾向がみられた.また難治例では, 全身性および局所性合併症が多くみられた.現時点で難治例の50%に手術が施行されており, 手術非施行難治例の非難治例への移行はみられておらず, 難...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 42; no. 1; pp. 94 - 98
Main Authors 飯塚, 政弘, 千葉, 満郎, 堀江, 泰夫, 五十嵐, 潔, 荒川, 弘道, 正宗, 研, 児玉, 光
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本大腸肛門病学会 25.01.1989
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.42.94

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Summary:厚生省難治性炎症性腸管障害調査研究班の定義にしたがい, 当教室で経験した難治性潰瘍性大腸炎について検討を行った.対象は昭和47年から昭和62年までの15年間に, 入院または外来治療を行った潰瘍性大腸炎54例とした.そのうち難治例と判断されたものは10例で, 全体の18.5%を占めた.難治例, 非難治例を比較すると, 前者は後者に比し, 若年発症傾向, 軽症が少なく : 重症が多い傾向, 直腸炎型が少なく全大腸炎型が多い傾向がみられた.また難治例では, 全身性および局所性合併症が多くみられた.現時点で難治例の50%に手術が施行されており, 手術非施行難治例の非難治例への移行はみられておらず, 難治と判断された場合, 手術予備群として手術適応についてたえず考慮しつつ内科治療を行う必要があると思われた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.42.94