UOE-1 (CTX-M-15) type β-lactamase産生Escherichia coliによる敗血症患者の臨床経過と細菌学的検討

症例は89歳女性で40.7℃ の高熱がみられ, 同日の血液培養よりEscherichia coli (E. coli) が分離された。その後, 2月7日のカテーテル尿および2月8日の便からも同様の薬剤感受性を示すE. coliが分離された。治療抗菌薬はcefpirome+isepamicinの点滴静注を開始したが, 薬剤感受性試験の結果より, 基質特異性拡張型β-lactamase産生菌であると推定されたため, imipenem (IPM) +fosfomycin (FOM) の点滴静注に変更した。IPMは薬疹のため中止し, FOM点滴静注単独としたが体温, 炎症反応は速やかに改善した。β-l...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 52; no. 4; pp. 223 - 227
Main Authors 小林, とも子, 後藤, 令子, 村谷, 哲郎, 松本, 哲朗, 大隈, 雅紀, 東, 修一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 25.04.2004
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.52.223

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Summary:症例は89歳女性で40.7℃ の高熱がみられ, 同日の血液培養よりEscherichia coli (E. coli) が分離された。その後, 2月7日のカテーテル尿および2月8日の便からも同様の薬剤感受性を示すE. coliが分離された。治療抗菌薬はcefpirome+isepamicinの点滴静注を開始したが, 薬剤感受性試験の結果より, 基質特異性拡張型β-lactamase産生菌であると推定されたため, imipenem (IPM) +fosfomycin (FOM) の点滴静注に変更した。IPMは薬疹のため中止し, FOM点滴静注単独としたが体温, 炎症反応は速やかに改善した。β-lactamase遺伝子の塩基配列を決定したところ, UOE-1 typeと同定された。血液培養, 尿, 便から検出された株の染色体DNAのNot I切断パターンをパルスフィールドゲル電気泳動により比較したところ, 同一株であることが判明した。便由来の上行性尿路感染症からのurosepsisと考えられた。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.52.223