高齢者誤嚥の治療
高齢者では嚥下機能の予備能が低下するため, 感染症・手術などによる全身状態の悪化・絶食により嚥下障害が顕在化することがある. また, 嚥下障害をきたす原因となる疾患を合併することも多い. 脳梗塞に伴う嚥下障害は急性期を過ぎれば機能訓練・手術療法の適応となる. 経過中, 嚥下機能は徐々に改善するため, 肺炎等の呼吸器感染症を予防し, 良好な栄養状態で機能訓練を続ける. また, 延髄病変の有無で嚥下動態が異なるため, 球麻痺と偽性球麻痺に分類して嚥下障害の病態を理解する. 高齢者の嚥下障害は, その原因と嚥下動態を正確に把握し, それに適応した機能訓練を施行し, 誤嚥を予防することが重要である....
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| Published in | 日本老年医学会雑誌 Vol. 38; no. 5; pp. 611 - 613 |
|---|---|
| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本老年医学会
25.09.2001
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0300-9173 |
| DOI | 10.3143/geriatrics.38.611 |
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| Summary: | 高齢者では嚥下機能の予備能が低下するため, 感染症・手術などによる全身状態の悪化・絶食により嚥下障害が顕在化することがある. また, 嚥下障害をきたす原因となる疾患を合併することも多い. 脳梗塞に伴う嚥下障害は急性期を過ぎれば機能訓練・手術療法の適応となる. 経過中, 嚥下機能は徐々に改善するため, 肺炎等の呼吸器感染症を予防し, 良好な栄養状態で機能訓練を続ける. また, 延髄病変の有無で嚥下動態が異なるため, 球麻痺と偽性球麻痺に分類して嚥下障害の病態を理解する. 高齢者の嚥下障害は, その原因と嚥下動態を正確に把握し, それに適応した機能訓練を施行し, 誤嚥を予防することが重要である. |
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| ISSN: | 0300-9173 |
| DOI: | 10.3143/geriatrics.38.611 |