Surgical therapy of sustained ventricular tachycardia originating in the interventricular septum-importance of preoper ative catheter endocardial mapping
症例は48歳の男性で,10年前に心筋梗塞の既往がある.4年前に健康診断で不整脈を指摘されたが放置していた.入院6カ月前に初めて動悸が出現し,心電図上心室頻拍(VT)が認められたため入院した.VTはほぼ終日出現し,プロカインアミド(4,000mg/日),ジソピラミド(400mg/日),メキ・シレチン(400mg/日),フェニトイン(500mg/日),ベラバミル(240mg/日)の単独ないし併用を行っても心拍数減少を認めるのみで,発作を停止させることができなかった.そのため,手術を前提として電気生理学的検査(EPS)を行った.VTはプログラム刺激で停止するがただちに再開した.心内膜カテーテルマッピ...
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| Published in | Shinzo Vol. 19; no. 8; pp. 1019 - 1024 |
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| Main Authors | , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
Japan Heart Foundation
15.08.1987
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
| DOI | 10.11281/shinzo1969.19.8_1019 |
Cover
| Summary: | 症例は48歳の男性で,10年前に心筋梗塞の既往がある.4年前に健康診断で不整脈を指摘されたが放置していた.入院6カ月前に初めて動悸が出現し,心電図上心室頻拍(VT)が認められたため入院した.VTはほぼ終日出現し,プロカインアミド(4,000mg/日),ジソピラミド(400mg/日),メキ・シレチン(400mg/日),フェニトイン(500mg/日),ベラバミル(240mg/日)の単独ないし併用を行っても心拍数減少を認めるのみで,発作を停止させることができなかった.そのため,手術を前提として電気生理学的検査(EPS)を行った.VTはプログラム刺激で停止するがただちに再開した.心内膜カテーテルマッピングでは,心室中隔の左室側にVTのQRS波に20msec先行する興奮部位を同定でき,同部のペーシングでVTと同一心室群波形を示す標準誘導心電図を記録できた.左室は,心尖部を中心に瘤を形成し,冠動脈造影で左前下行枝に狭窄を認めた.術中の心表面マッピングで,最早期興奮部位を左室後壁中隔寄りに認めたが,VTのQRS波に先行していなかった.心室切開後VTは消失し,誘発も不可能であった.中隔からのペースマッピング所見と術前のEPS所見から,心内膜剥離および冷凍術部位を決定した.術後VTは消失し,1カ月後のEPSでもVTを誘発できなかった.本例は中隔に起源を有するVTで,心内膜マッピングが有用であった. |
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| ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
| DOI: | 10.11281/shinzo1969.19.8_1019 |