野生草花の増殖ならびに群落の管理に関する研究 ノコンギクの種子発芽特性と挿し木による増殖ならびに群落の刈取り時期について
野生草花の緑地への導入に対する技術的手法を明らかにするために, ノコンギクを材料として種子の発芽特性と挿し木による増殖の可能性, そして群落を美しく維持するための刈取り時期について検討した。 ノコンギクの種子は暗条件下でも15~25℃ でよく発芽し, 明条件下なら30℃ でも高い発芽率を示した。また, 25℃ 以下で乾燥貯蔵しておけば, 種子の発芽能力を1年間はほぼ保持できた。したがって, 播種後の水分が確保できるならば, 播種適期は広いと判断される。ただし春に播種するとその年の秋には開花させることができた。さらに適切に水管理された挿し木実験では, 発根促進剤を用いなくとも90%以上の発根率が...
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| Published in | 日本緑化工学会誌 Vol. 17; no. 4; pp. 193 - 202 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本緑化工学会
15.05.1992
The Japanese Society of Revegetation Technology |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0916-7439 0916-7439 |
| DOI | 10.7211/jjsrt.17.193 |
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| Summary: | 野生草花の緑地への導入に対する技術的手法を明らかにするために, ノコンギクを材料として種子の発芽特性と挿し木による増殖の可能性, そして群落を美しく維持するための刈取り時期について検討した。 ノコンギクの種子は暗条件下でも15~25℃ でよく発芽し, 明条件下なら30℃ でも高い発芽率を示した。また, 25℃ 以下で乾燥貯蔵しておけば, 種子の発芽能力を1年間はほぼ保持できた。したがって, 播種後の水分が確保できるならば, 播種適期は広いと判断される。ただし春に播種するとその年の秋には開花させることができた。さらに適切に水管理された挿し木実験では, 発根促進剤を用いなくとも90%以上の発根率が得られ, 挿し木による増殖も容易であると思われる。群落を年1回7月初旬あるいは年2回6月初旬と8月初旬に刈り取ると, 花数を十分に確保でき草丈も20~30cmに抑制できた。しかし, 9月初旬刈では花数は極端に少なくなった。種子の発芽適温と低温湿層処理の効果を考え併せると, 野外で12月に自然散布された種子が冬季を経た後早春から一斉に発芽することで群落の更新が行われると予測される。また地下茎によっても増殖することなどが明らかとなった。 |
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| ISSN: | 0916-7439 0916-7439 |
| DOI: | 10.7211/jjsrt.17.193 |