小児症候性キアリI型奇形に対する治療成績の成人例との比較検討

「要旨」症候性キアリI型奇形と診断し, 手術を行った15歳以下の小児11例の治療成績を, 成人21例と比較した. 全例に大孔部減圧術とC1の椎弓切除を行ったが, 硬膜形成は小児2例, 成人1例では未施行であった. 症状や脊髄空洞症の改善率には有意差は認めなかったが, 脊髄空洞症の縮小までの期間が, 小児では中央値314日, 成人は中央値92日と小児が有意に長かった. 小児では, 診断から手術まで長くかかっている症例があり, 脊髄空洞症や側彎などを悪化させないためにも, 手術適応を的確に判断し, 早期に減圧術を施行することが必要と考えられた....

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Published in小児の脳神経 Vol. 45; no. 2; pp. 83 - 89
Main Authors 牧野敬史, 黒田順一郎, 高田明, 武笠晃丈
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児神経外科学会 30.06.2020
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ISSN0387-8023

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Summary:「要旨」症候性キアリI型奇形と診断し, 手術を行った15歳以下の小児11例の治療成績を, 成人21例と比較した. 全例に大孔部減圧術とC1の椎弓切除を行ったが, 硬膜形成は小児2例, 成人1例では未施行であった. 症状や脊髄空洞症の改善率には有意差は認めなかったが, 脊髄空洞症の縮小までの期間が, 小児では中央値314日, 成人は中央値92日と小児が有意に長かった. 小児では, 診断から手術まで長くかかっている症例があり, 脊髄空洞症や側彎などを悪化させないためにも, 手術適応を的確に判断し, 早期に減圧術を施行することが必要と考えられた.
ISSN:0387-8023