貧血に伴って発生したと考えられる下腿後方コンパートメント症候群, 4例の治療経験
[要旨] 高度の鉄欠乏性貧血が原因と考えられる下腿慢性コンパートメント症候群を発症した4名の女子高校生を経験した. 筋膜切開が有効といわれている前方コンパートメントではなく, 浅後方コンパートメントに生じており, 貧血の改善とともに症状が消失した. 10歳代女性で両側の後方コンパートメント症候群が疑われた場合は早期に血液検査を行い貧血状態, 血清鉄, フェリチン等の値を調べることが必要である. [はじめに] 運動が誘因となり下腿に疼痛が起こる病態として, 慢性コンパートメント症候群が知られている. その原因はコンパートメント内圧の上昇による循環障害といわれている. 多くは前脛骨筋を含む前方コン...
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| Published in | 日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 23; no. 1; pp. 100 - 102 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床スポーツ医学会
31.01.2015
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| ISSN | 1346-4159 |
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| Summary: | [要旨] 高度の鉄欠乏性貧血が原因と考えられる下腿慢性コンパートメント症候群を発症した4名の女子高校生を経験した. 筋膜切開が有効といわれている前方コンパートメントではなく, 浅後方コンパートメントに生じており, 貧血の改善とともに症状が消失した. 10歳代女性で両側の後方コンパートメント症候群が疑われた場合は早期に血液検査を行い貧血状態, 血清鉄, フェリチン等の値を調べることが必要である. [はじめに] 運動が誘因となり下腿に疼痛が起こる病態として, 慢性コンパートメント症候群が知られている. その原因はコンパートメント内圧の上昇による循環障害といわれている. 多くは前脛骨筋を含む前方コンパートメントに起こる場合が多く, 筋膜切開が有効であるとの報告が多い. 今回我々は, 鉄欠乏性貧血が原因と考えられる後部コンパートメント症候群を経験したので報告する. |
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| ISSN: | 1346-4159 |