骨粗鬆症を伴う脊椎破裂骨折術後下位椎で骨折した2例
「はじめに」骨粗鬆症を伴う脊椎破裂骨折後に遅発性脊髄麻痺を呈することがある. このような症例に対して我々は脊椎後方除圧固定術を行なっている. これらの症例の中で下位椎で新たに骨折を生じた2例を経験したので若干の考察を加えて報告する. 症例 症例1(図1):72歳女性. 主訴:腰痛, 歩行困難 現病歴:平成8年3月より腰痛, 4月より徐々に両下肢筋力, 知覚低下を認め杖歩行困難となった. 現症:両下肢筋力(MMT;3~4), 両下肢深部腱反射は消失していた. 第12胸髄節以下の知覚鈍麻を認めた. 検査所見:単純X線でTh9, 11, 12破裂骨折を認めMRIでは硬膜管がTh12椎体後方骨片により...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 47; no. 1; pp. 9 - 13 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.1998
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ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 「はじめに」骨粗鬆症を伴う脊椎破裂骨折後に遅発性脊髄麻痺を呈することがある. このような症例に対して我々は脊椎後方除圧固定術を行なっている. これらの症例の中で下位椎で新たに骨折を生じた2例を経験したので若干の考察を加えて報告する. 症例 症例1(図1):72歳女性. 主訴:腰痛, 歩行困難 現病歴:平成8年3月より腰痛, 4月より徐々に両下肢筋力, 知覚低下を認め杖歩行困難となった. 現症:両下肢筋力(MMT;3~4), 両下肢深部腱反射は消失していた. 第12胸髄節以下の知覚鈍麻を認めた. 検査所見:単純X線でTh9, 11, 12破裂骨折を認めMRIでは硬膜管がTh12椎体後方骨片により圧排されていた. 経過Th10-L1椎弓切除, Th8-L2後方固定を行なった. 手術5週間後一本杖歩行が可能となった. 3ケ月後急に腰背部痛出現, X線上L3圧迫骨折を認めた. 安静により4週間後症状軽快し一本杖歩行可能となった. 症例2(図2):74歳女性. 主訴:腰痛, 歩行困難. 既往症:昭和60年よりRAの診断によリプレドニン5mg長期内服中であった. 現病歴:平成7年5月まで杖歩行していたが6月より急に腰痛, 右下肢筋力低下出現した. 現症:右下肢筋力(MMT;3~4), 両下肢深部腱反射は消失していた. |
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ISSN: | 0037-1033 |