心房細動のトータルマネージメント

「●心房細動の患者数」心房細動は日常診療で多く見られる不整脈です. それ自身は致死的な不整脈ではありませんが, 動悸, 息切れなどでQOLの低下をきたすことが多い不整脈です. また, 血栓塞栓症や頻脈に伴い心不全もきたすことが多く, 結果的に死亡率が増加します. 一方で, 抗不整脈薬に抵抗性で治療に難渋する場合も多くあります. 今回は, 心房細動のトータルマネージメント, 特に心原性脳梗塞予防に関してお話いたします. 心房細動は年齢が上がるにつれて発生率が高くなり, 頻度は女性よりも男性に多く発生します. 日本の疫学調査で80万人以上が心房細動に罹患していると報告されていますが, すでに100...

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Published in心臓 Vol. 49; no. 3; pp. 317 - 320
Main Author 萩原誠久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団・日本循環器学会 15.03.2017
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ISSN0586-4488

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Summary:「●心房細動の患者数」心房細動は日常診療で多く見られる不整脈です. それ自身は致死的な不整脈ではありませんが, 動悸, 息切れなどでQOLの低下をきたすことが多い不整脈です. また, 血栓塞栓症や頻脈に伴い心不全もきたすことが多く, 結果的に死亡率が増加します. 一方で, 抗不整脈薬に抵抗性で治療に難渋する場合も多くあります. 今回は, 心房細動のトータルマネージメント, 特に心原性脳梗塞予防に関してお話いたします. 心房細動は年齢が上がるにつれて発生率が高くなり, 頻度は女性よりも男性に多く発生します. 日本の疫学調査で80万人以上が心房細動に罹患していると報告されていますが, すでに100万人を超えていると推定されております. 「●大規模臨床研究」心房細動に伴う心原性脳塞栓, 脳卒中の頻度は無治療の場合は約4~5%と報告されております. 日本でも脳卒中患者の約1/4は心原性脳卒中であり, その70%以上は心房細動が原因と考えられています.
ISSN:0586-4488