心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)による肝線維化抑制効果の検討

【目的】ANPは心臓, 肺において線維化抑制作用が報告されているが, 今回我々はANPの肝線維化抑制効果について検討した. 【方法】ラット肝線維化モデルを作成しANP投与群と非投与群に分け血清生化学検査, SiriusRed染色, α-SMAの免疫染色, real time-PCRでTIMP 1, 2, Collagen 1のmRNA発現を比較した. またin vitroで肝星細胞にANPを添加しMMP14, TIMP 1, 2, Collagen 1のmRNA発現, Westernblotでα-SMAの発現を検討した. 【成績】組織染色でANP投与群は非投与群と比較して線維化が抑制され, ま...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in山口医学 Vol. 56; no. 6; p. 225
Main Authors 石垣賀子, 山本直樹, 金海燕, 内田耕一, 寺井祟二, 山崎隆弘, 坂井田功, 大和田祐二, 神田隆, 松田昌子, 是永匡紹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 31.12.2007
Online AccessGet full text
ISSN0513-1731

Cover

More Information
Summary:【目的】ANPは心臓, 肺において線維化抑制作用が報告されているが, 今回我々はANPの肝線維化抑制効果について検討した. 【方法】ラット肝線維化モデルを作成しANP投与群と非投与群に分け血清生化学検査, SiriusRed染色, α-SMAの免疫染色, real time-PCRでTIMP 1, 2, Collagen 1のmRNA発現を比較した. またin vitroで肝星細胞にANPを添加しMMP14, TIMP 1, 2, Collagen 1のmRNA発現, Westernblotでα-SMAの発現を検討した. 【成績】組織染色でANP投与群は非投与群と比較して線維化が抑制され, またTIMP 1, 2, Collagen 1のmRNA発現が抑制された. 肝星細胞でα-SMA及びTIMP 1, 2, Collagen 1の発現が濃度依存性に抑制された. 【結論】ANPは新たな肝臓線維化抑制剤となる可能性があることが示唆された.
ISSN:0513-1731