ホルモン受容体陽性・ヒト上皮成長因子受容体2型陰性乳癌の内分泌療法における治療選好とアンメットニーズ : 患者・医師サーベイ研究

「要旨」「目的:」乳癌内分泌療法での患者・医師の投与形態の選好とアンメットニーズ, 医師の治療選択の実態, および治療選択に影響する因子を明らかにする. 「方法:」ホルモン受容体(HR)陽性・ヒト上皮成長因子受容体2型(HER2)陰性の乳癌患者および乳癌診療に携わる医師を別々に募集し, オンライン調査を実施した(2023年1~2月). 「結果:」解析対象は, 患者405名, 医師105名で, いずれも約7割が経口薬を好むと回答した. 患者では治療薬使用時の苦痛や有害事象への懸念, 医師では患者の負担への懸念が投与形態の選好に関係していた. また医師は医療リソースへの影響も重視していた. 治療選...

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Published in新薬と臨牀 Vol. 73; no. 9; pp. 855 - 881
Main Authors 坂東裕子, 飯田真由美, 谷澤欣則, 大佐賀智, 三浦萌実, 中川圭, 川口耕, 徳永えり子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 医薬情報研究所 10.09.2024
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ISSN0559-8672

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Summary:「要旨」「目的:」乳癌内分泌療法での患者・医師の投与形態の選好とアンメットニーズ, 医師の治療選択の実態, および治療選択に影響する因子を明らかにする. 「方法:」ホルモン受容体(HR)陽性・ヒト上皮成長因子受容体2型(HER2)陰性の乳癌患者および乳癌診療に携わる医師を別々に募集し, オンライン調査を実施した(2023年1~2月). 「結果:」解析対象は, 患者405名, 医師105名で, いずれも約7割が経口薬を好むと回答した. 患者では治療薬使用時の苦痛や有害事象への懸念, 医師では患者の負担への懸念が投与形態の選好に関係していた. また医師は医療リソースへの影響も重視していた. 治療選択時, 医師は, 全体としては治療薬の有効性を重視し, 患者の状態によってはquality of life(QOL)の保持・向上を重視していた. 「結論:」HR陽性・HER2陰性乳癌の内分泌療法選択時, 患者の状態・投与形態の選好や希望を取り入れる必要がある. 有効性, 安全性のみならず, 患者のQOL保持・向上, 患者や医療リソースの負担を軽減可能な薬剤の開発が望まれる(図. 調査の要約:plain language summary).
ISSN:0559-8672