慢性甲状腺炎の甲状腺スキャン像

昭和47年1月より昭和50年5月までに, 針生検にて組織学的確定診断のなされた慢性甲状腺炎35例の甲状腺スキャン像について検討し, 以下の結果を得た. a)慢性甲状腺炎の甲状腺スキャン像を甲状腺内RI分布より4型に分類すると, 均一分布のI型8例(23%), 不均一分布のII型13例(37%), 明らかな欠損像のIIIa型10例(29%)及び疑欠損像のIIIb型4例(11%)であった. b)使用したスキャン像は131I-スキャン23例(66%), 99mTc-スキャン12例(34%)で, II型の131I-uptakeは4%~42%で平均24.5%であった. 10%以下は1例で, Mottle...

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Published in医療 Vol. 30; no. 7; pp. 596 - 603
Main Authors 伊藤和夫, 立野育郎, 加藤外栄, 分校久志, 道岸隆敏, 杉原政美, 窪田昭男, 久田欣一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 医療同好会 01.07.1976
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ISSN0021-1699

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Summary:昭和47年1月より昭和50年5月までに, 針生検にて組織学的確定診断のなされた慢性甲状腺炎35例の甲状腺スキャン像について検討し, 以下の結果を得た. a)慢性甲状腺炎の甲状腺スキャン像を甲状腺内RI分布より4型に分類すると, 均一分布のI型8例(23%), 不均一分布のII型13例(37%), 明らかな欠損像のIIIa型10例(29%)及び疑欠損像のIIIb型4例(11%)であった. b)使用したスキャン像は131I-スキャン23例(66%), 99mTc-スキャン12例(34%)で, II型の131I-uptakeは4%~42%で平均24.5%であった. 10%以下は1例で, Mottled typeは甲状腺内RI-activityの低下によるものではない. c)検査時の甲状腺機能状態は正常30例, 低下4例, 亢進1例であった. d)抗甲状腺グロブリン抗体は, II型, IIIa型で高く, I型, IIIb型で低かった. e)甲状腺癌の合併は2例で, IIIa型であった.
ISSN:0021-1699