処理後凍結自己血漿(PAFFP)を用いた血漿交換の可能性について

緒言 血漿交換療法が普及しはじめ, 種々の疾患に対する応用が試みられるようになった今日, その直面する最大の課題は, 各種疾患における有害物質の同定と除去技術の確立, 言い換えれば, 置換液の問題である. Plasma exchangeを行うにせよ, Plasmapheresisを行うにせよ, 患者に対してどのような組成のものを返すかという問題は, 単に費用, 資源, 肝炎等の感染の面で重要であるのみならず, 有害物質の同定とその除去技術の開発等で原疾患の病態解明と密接に関連し, また血漿交換療法の手技上の安全性, 有効性を高めるうえでも重要な点となっている. 現在までの血漿交換療法の歴史を,...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 29; no. 5; pp. 556 - 561
Main Authors 上田恭典, 上田倫子, 山田紀子, 池田泰雅, 矢切良穂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.12.1983
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ISSN0546-1448

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Summary:緒言 血漿交換療法が普及しはじめ, 種々の疾患に対する応用が試みられるようになった今日, その直面する最大の課題は, 各種疾患における有害物質の同定と除去技術の確立, 言い換えれば, 置換液の問題である. Plasma exchangeを行うにせよ, Plasmapheresisを行うにせよ, 患者に対してどのような組成のものを返すかという問題は, 単に費用, 資源, 肝炎等の感染の面で重要であるのみならず, 有害物質の同定とその除去技術の開発等で原疾患の病態解明と密接に関連し, また血漿交換療法の手技上の安全性, 有効性を高めるうえでも重要な点となっている. 現在までの血漿交換療法の歴史を, 置換液と有害物質の除去方法の面からたどれば, Plasma expander→FFP→PPF→“cryogelfiltration, membrane filtration, adsorption”となる.
ISSN:0546-1448