(I-P2-16)摂食・嚥下障害のある筋ジストロフィー患者への看護クリニカルパス作成を試みて
【目的】近年, クリニカルパス(以下パス)が各職種による関わりが明確であることや患者に理解しやすい利点から取り組まれるようになっている. 筋ジストロフィー(以下筋ジス)では, 嚥下障害の自覚がないことが多く, また, 呼吸不全・心不全を合併する. そのため, 各職種が一貫した指導することができるパスが必要であると考えた. そこで, われわれは, 定期検査入院の患者について, 短期間かつ有効的に嚥下障害への取り組みが行われるようにパスを作成したので報告する. 【対象・方法】対象については, 筋ジス小児病棟に入院した筋ジス患者である. 内容は, 以下の如くである. 入院前在宅での栄養状況を把握する...
Saved in:
| Published in | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 10; no. 3; pp. 357 - 358 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
31.12.2006
|
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1343-8441 |
Cover
| Summary: | 【目的】近年, クリニカルパス(以下パス)が各職種による関わりが明確であることや患者に理解しやすい利点から取り組まれるようになっている. 筋ジストロフィー(以下筋ジス)では, 嚥下障害の自覚がないことが多く, また, 呼吸不全・心不全を合併する. そのため, 各職種が一貫した指導することができるパスが必要であると考えた. そこで, われわれは, 定期検査入院の患者について, 短期間かつ有効的に嚥下障害への取り組みが行われるようにパスを作成したので報告する. 【対象・方法】対象については, 筋ジス小児病棟に入院した筋ジス患者である. 内容は, 以下の如くである. 入院前在宅での栄養状況を把握するために食事摂取量を記入し, 入院時提出してもらう. 入院中は, 摂取問診票の聴取, 血液検査, 嚥下造影を実施する. 嚥下造影後, 嚥下訓練・食事形態の変更・決定, 調理指導・栄養指導を行う. 外泊または病院内で実際に自宅で行うように調理してもらい, 在宅での問題点を探る. そして, 在宅で継続できるよう指導していくことを目標に, 退院前に, 再評価・再指導を行う. 各職種と連携を図り嚥下評価から指導までの一貫したアプローチができることを目指した. また, カルテをみれば進捗状況がわかるようなシステムとした. 【結果・考察】パスを作成することにより, 筋ジス患者・家族に分かりやすく, 一貫した援助を行うことができた. また, 各職種との連携を円滑にできることができ, 指導の進捗状況をいつでも把握できるようになった. 【おわりに】小児の筋ジス患者は, 学校生活に支障をきたさないように10日間前後の入院で評価・指導を完了しなければならない. そのため, 患者・家族の理解度・受容度・習熟度を把握し, 他職者間で情報交換を行う必要がある. 今後, 患者のよりよい在宅療養のために, パスを使用していきたい. |
|---|---|
| ISSN: | 1343-8441 |