敗血症の病態と新規治療ターゲット
「敗血症の病態と定義」敗血症『sepsis』は, ギリシャ語の『崩壊』, 『腐敗』を語源とし, 古くから生体異化による重篤な病態と認識されていた. 現在では, 感染症を基盤とする全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)と理解されている. 敗血症の定義には, これまでいくつかの変遷があったが, 2016年2月, 米国集中治療学会は15年ぶりにこれを改訂し, 『感染に対する宿主生体反応の調整不全で, 生命を脅かす臓器障害』と定義した(Sepsis-3). Sepsis-3では, 『重症敗血症』という用語を廃止し, SIRSをは...
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| Published in | 日本医科大学医学会雑誌 Vol. 12; no. 4; p. 150 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本医科大学医学会
01.10.2016
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1349-8975 |
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| Summary: | 「敗血症の病態と定義」敗血症『sepsis』は, ギリシャ語の『崩壊』, 『腐敗』を語源とし, 古くから生体異化による重篤な病態と認識されていた. 現在では, 感染症を基盤とする全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)と理解されている. 敗血症の定義には, これまでいくつかの変遷があったが, 2016年2月, 米国集中治療学会は15年ぶりにこれを改訂し, 『感染に対する宿主生体反応の調整不全で, 生命を脅かす臓器障害』と定義した(Sepsis-3). Sepsis-3では, 『重症敗血症』という用語を廃止し, SIRSをはじめとした生体の反応を重視したこれまでと異なり, 直接的に生命を脅かす臓器障害に重きが置かれている. |
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| ISSN: | 1349-8975 |