(9)がんの遺伝外来における遺伝カウンセリングの協働的役割

当院は, 家族性腫瘍ネットワークの東北地方拠点施設として, がんの遺伝外来を行っている. 従来まで医師が診察と遺伝カウンセリングを行い, 遺伝子診断からその後のフォローアップまで担っていたが, 今年度より家族性腫瘍遺伝カウンセリングの養成をうけた看護職が外来に加わり, 医師とともに遺伝カウンセリングを行うようになった. 遺伝子診断が研究的に推進され, 診療への適応拡大が図られる現状において, 今後も家族性腫瘍と共生していかざるを得ない患者が増えていくことは言うまでもない. 非医師職が加わりチームアプローチが可能となることで, 遺伝子診断の意思決定から, その後の予防, 早期発見にむけての身体的...

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Published in家族性腫瘍 Vol. 7; no. 1; pp. 60 - 61
Main Authors 角田ますみ, 鈴木眞一, 権田憲士, 野水整, 荒川唱子, 竹之下誠一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本家族性腫瘍学会 15.01.2007
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ISSN1346-1052

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Summary:当院は, 家族性腫瘍ネットワークの東北地方拠点施設として, がんの遺伝外来を行っている. 従来まで医師が診察と遺伝カウンセリングを行い, 遺伝子診断からその後のフォローアップまで担っていたが, 今年度より家族性腫瘍遺伝カウンセリングの養成をうけた看護職が外来に加わり, 医師とともに遺伝カウンセリングを行うようになった. 遺伝子診断が研究的に推進され, 診療への適応拡大が図られる現状において, 今後も家族性腫瘍と共生していかざるを得ない患者が増えていくことは言うまでもない. 非医師職が加わりチームアプローチが可能となることで, 遺伝子診断の意思決定から, その後の予防, 早期発見にむけての身体的, 精神的支援体制が整うことは, 患者の今後のQOL維持に大きく貢献すると考えられる. 今回は事例をもとに, 当院におけるがんの遺伝外来での遺伝カウンセリングの取り組みを紹介しつつ, 遺伝外来における協働的役割について述べる.
ISSN:1346-1052