新たに改良された観察用気管支ビデオスコープ(XBF-6C260)を用いた内視鏡検査の検討
オリンパスK. の観察用気管支ビデオスコープ(BF-6C240;先端外径6.1mm)は肺門部粘膜の微細な所見の描出が可能であった. しかし末梢病変の組織, 細胞採取に於ける鉗子やブラシなどの処置具の挿入操作が困難なことに不満が残っていた. 今回, 新たに改良された同種のビデオスコープ(XBF-6C260)を用い, 画像所見も含め従来型内視鏡との比較検討を行った. [機種]XBF-6C260は先端外径5.9mm, 挿入部外径5.7mmになり, 画素数がBF-6C240の1.7倍に増加, 先端硬質長が2mm短縮された. [結果]BF-6C240では選択的挿入が困難な右B1に対しても, XBF-6C...
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Published in | 気管支学 Vol. 26; no. 3; p. 267 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本呼吸器内視鏡学会
10.05.2004
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ISSN | 0287-2137 |
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Summary: | オリンパスK. の観察用気管支ビデオスコープ(BF-6C240;先端外径6.1mm)は肺門部粘膜の微細な所見の描出が可能であった. しかし末梢病変の組織, 細胞採取に於ける鉗子やブラシなどの処置具の挿入操作が困難なことに不満が残っていた. 今回, 新たに改良された同種のビデオスコープ(XBF-6C260)を用い, 画像所見も含め従来型内視鏡との比較検討を行った. [機種]XBF-6C260は先端外径5.9mm, 挿入部外径5.7mmになり, 画素数がBF-6C240の1.7倍に増加, 先端硬質長が2mm短縮された. [結果]BF-6C240では選択的挿入が困難な右B1に対しても, XBF-6C260では155cm前後の女性の亜区域支分岐部まで挿入可能であり, B1末梢のIV次, 一部でV次気管支までが観察可能である. そのため右B1の90%前後のIV次気管支に直視下に鉗子が挿入可能であった. [考察]日本人解剖例の区域支の外径計測平均値は全て7.0mm以下(高瀬昭, 日本解剖誌, 1959)である. また亜区域支の27%で娘支が分岐する. これらの解剖学的必然性から通常の診療には直視下にIV次気管支まで観察可能な内視鏡が望ましい. また外径0.2mmの差と先端硬質部2mmの差で挿入の困難性が変化することを認めた. [結論]XBF-6C260は従来機種BF-6C240に比べ画質がより高画質になり, さらに挿入性が向上して1分岐ほど末梢側に挿入可能となった. 本内視鏡は肺門部の画像解析と肺野病変の確定診断法共に有用であった. |
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ISSN: | 0287-2137 |