等電点電気泳動法による血小板膜からの抽出抗原の分析
目的:分離後血小板からの溶出成分の重要性については柴田らの広範な検討が報告されている. これらの成分を従来の等電点電気泳動法より失活が少なく, 多量の試料処理が可能な調製用液体等電点電気泳動装置(ロトフォア)により分画し, 血清学的反応性との関連について検討した. 方法:1. 抗原の抽出は柴田らの方法に準じて行なった. ACD採血した全血より血小板を遠心分離, 血小板沈渣を食塩水に再浮遊させ, 4℃で5日間保存する. さらに20,000rpm30分間の遠心後上清を分離, これを抽出抗原とした. 2. 調製用液体等電点電気泳動装置法はロトフォア(BIORAD)を使用し, 試料は各pH域のキャリア...
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| Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 35; no. 2; p. 221 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本輸血学会
01.05.1989
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| ISSN | 0546-1448 |
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| Summary: | 目的:分離後血小板からの溶出成分の重要性については柴田らの広範な検討が報告されている. これらの成分を従来の等電点電気泳動法より失活が少なく, 多量の試料処理が可能な調製用液体等電点電気泳動装置(ロトフォア)により分画し, 血清学的反応性との関連について検討した. 方法:1. 抗原の抽出は柴田らの方法に準じて行なった. ACD採血した全血より血小板を遠心分離, 血小板沈渣を食塩水に再浮遊させ, 4℃で5日間保存する. さらに20,000rpm30分間の遠心後上清を分離, これを抽出抗原とした. 2. 調製用液体等電点電気泳動装置法はロトフォア(BIORAD)を使用し, 試料は各pH域のキャリアーアンフォライトと共に定電力の条件で泳動した. 3. 主にLCT(Lymphocyte Cytotoxicity Test)により反応性を検討し, 場合により血小板凝集阻止試験, MPHA(Mixed Passive Haemagglutination)も併用した. 結果:等電点分画に分離性が認められ, 反応性に変化が認められた. 結論:電気泳動法はゲル様担体を使用せず, 自由溶液中で等電点電気泳動を行ない, 分画部分の分離も容易で, 試料変性の可能性も少なく分画方法として有用と思われる. |
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| ISSN: | 0546-1448 |