内視鏡的粘膜切除術 (EMR) にて切除しえた回腸腺腫の一例

「緒言」 原発性小腸腫瘍は全消化管腫瘍の1-2%と稀な疾患であり, 検査や診断, 治療方法は確立されていない. また早期の段階では症状をきたしにくく, 出血や腸重積を契機に発見される進行癌が多数を占め, 小腸癌全体の5年生存率は17.5-23%と予後不良である. 今回, 全小腸腫瘍の2.8%と特に稀である小腸腺腫を下部消化管内視鏡検査(CS)で発見し, 内視鏡的粘膜切除術(EMR)にて切除しえた1例を経験したため報告する. 「症例」 患者:66歳, 男性 既往歴:大腸腺腫 現病歴:2019年12月, 血便精査目的に施行したCSにて, 回腸末端に0-Ispポリープを偶発的に認めた. 2020年1...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy(2001年から) Vol. 98; no. 1; pp. 99 - 101
Main Authors 森田祐規, 藤井崇, 周東万里恵, 目時加奈恵, 田代祥博, 岡本英子, 鈴木伸治, 小山茂, 今田安津子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本消化器内視鏡学会関東支部会 30.06.2021
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ISSN1348-9844

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Summary:「緒言」 原発性小腸腫瘍は全消化管腫瘍の1-2%と稀な疾患であり, 検査や診断, 治療方法は確立されていない. また早期の段階では症状をきたしにくく, 出血や腸重積を契機に発見される進行癌が多数を占め, 小腸癌全体の5年生存率は17.5-23%と予後不良である. 今回, 全小腸腫瘍の2.8%と特に稀である小腸腺腫を下部消化管内視鏡検査(CS)で発見し, 内視鏡的粘膜切除術(EMR)にて切除しえた1例を経験したため報告する. 「症例」 患者:66歳, 男性 既往歴:大腸腺腫 現病歴:2019年12月, 血便精査目的に施行したCSにて, 回腸末端に0-Ispポリープを偶発的に認めた. 2020年1月, 同病変に対する加療目的に入院となった. 上部消化管内視鏡検査:胃・十二指腸ポリープを認めなかった. 小腸カプセル内視鏡検査:回腸末端に既知の0-Ispポリープを認めるのみで, その他ポリープは認めなかった. 下部消化管内視鏡検査:回盲弁より口側10cmに15mm大の0-Ispポリープを認めた.
ISSN:1348-9844