ECMOカテ台固定用アームの考案

「要旨」 透視下にて経皮的補助循環を導入する場合, 体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation: ECMO)装置本体はカテーテル治療用透視台(カテ台)の複雑な移動に追従させる必要がある. この対策としてカテ台上に乗せたところ, 視認性が非常に悪く不安定であったため, 人工肺・遠心ポンプ専用ホルダー(人工肺ホルダー)をカテ台のサイドレールに取り付けるオリジナルアームを考案した. 基材はステンレスおよびアルミ製とし, サイドレールへの固定は上からコの字型フックで迅速簡便に取り付けられる形状とした. サイドレールに対するモーメントを算出したところ, レー...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in体外循環技術 Vol. 43; no. 4; pp. 389 - 392
Main Authors 北村拡, 奥野渉, 玉岡弘充, 八木健太, 奥山浩幸, 井口亮介, 山口さよ子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.12.2016
Online AccessGet full text
ISSN0912-2664

Cover

More Information
Summary:「要旨」 透視下にて経皮的補助循環を導入する場合, 体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation: ECMO)装置本体はカテーテル治療用透視台(カテ台)の複雑な移動に追従させる必要がある. この対策としてカテ台上に乗せたところ, 視認性が非常に悪く不安定であったため, 人工肺・遠心ポンプ専用ホルダー(人工肺ホルダー)をカテ台のサイドレールに取り付けるオリジナルアームを考案した. 基材はステンレスおよびアルミ製とし, サイドレールへの固定は上からコの字型フックで迅速簡便に取り付けられる形状とした. サイドレールに対するモーメントを算出したところ, レールと平行方向に回転して脱落する可能性が生じたため, ホルダーガードを別途作製しサイドレールに取り付けた. カテ台の動きに手動で追従させる従来の方法と比較した結果, カテ台への取り付けは非常に簡単で安定し, 動作がカテ台と一体化することでカニューレおよび回路への引張荷重を排除することができた. 人工肺ホルダーのカテ台への取り付けは重要であるが, 対応する製品が存在しなかった. 今回初めてカテ台へ取り付けることに成功し, 視認性の向上, 回路脱落のリスクの回避, 何よりも安全管理において非常に有用であった.
ISSN:0912-2664