乳歯歯根膜の細胞生化学的研究 - Conditioned medium中の細胞増殖調節因子について

「緒言」 小児歯科における成長発育, すなわち無歯期から始まり乳歯の萌出, 乳歯列完成そして吸収・脱落などの生理的変化を経て, 混合歯列期から永久歯列期へ移行する. その中でも, 特に歯周組織の成長過程を解明することは重要なテーマの一つである. 歯周組織, 特に歯根膜組織は歯小嚢から由来している. 斎藤らはヒト歯根膜組織片からexplant法により, ヒト歯根膜線維芽細胞(Human Periodontal Ligament Fibroblast: HPLF)の培養が可能となった. その結果, HPLFはアルカリフォスファターゼ活性(ALP活性)を示すことから, 皮膚及び歯肉の線維芽細胞と異な...

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Published in神奈川歯学 Vol. 25; no. 4; pp. 397 - 408
Main Authors 今城伸介, 檜垣旺夫, 斎藤滋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.03.1991
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ISSN0454-8302

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Summary:「緒言」 小児歯科における成長発育, すなわち無歯期から始まり乳歯の萌出, 乳歯列完成そして吸収・脱落などの生理的変化を経て, 混合歯列期から永久歯列期へ移行する. その中でも, 特に歯周組織の成長過程を解明することは重要なテーマの一つである. 歯周組織, 特に歯根膜組織は歯小嚢から由来している. 斎藤らはヒト歯根膜組織片からexplant法により, ヒト歯根膜線維芽細胞(Human Periodontal Ligament Fibroblast: HPLF)の培養が可能となった. その結果, HPLFはアルカリフォスファターゼ活性(ALP活性)を示すことから, 皮膚及び歯肉の線維芽細胞と異なることが明らかとなり, osteoblastic fibroblastと提唱した. また, SomermanやCarnesはヒト歯根膜中にALP活性の高い線維芽細胞が存在することを報告している.
ISSN:0454-8302