頸動脈の外科治療における超音波検査 - 頸部血管エコーの役割について

「はじめに」頸動脈病変の治療は内科的治療, 外科的治療に大別される. さらに, 外科的治療には頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy : CEA)と頸動脈ステント留置術(carotid artey stenting : CAS)がある. その治療法の選択には症候の有無, 患者背景(年齢, 性別, 基礎疾患)などに加え, 狭窄病変の評価(狭窄の程度, 狭窄部のプラーク性状, 病変の広がり)などについての情報が必要である. 狭窄性病変の評価には頸部血管エコー, 造影CT, MRA, 脳血管造影などの検査法がある. そのなかで頸部血管エコーは非侵襲的で, 簡便にベットサイドで...

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Published inNeurosonology Vol. 29; no. 3; pp. 198 - 200
Main Authors 松本典子, 木村和美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経超音波学会 31.12.2016
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ISSN0917-074X

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Summary:「はじめに」頸動脈病変の治療は内科的治療, 外科的治療に大別される. さらに, 外科的治療には頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy : CEA)と頸動脈ステント留置術(carotid artey stenting : CAS)がある. その治療法の選択には症候の有無, 患者背景(年齢, 性別, 基礎疾患)などに加え, 狭窄病変の評価(狭窄の程度, 狭窄部のプラーク性状, 病変の広がり)などについての情報が必要である. 狭窄性病変の評価には頸部血管エコー, 造影CT, MRA, 脳血管造影などの検査法がある. そのなかで頸部血管エコーは非侵襲的で, 簡便にベットサイドで施行可能な検査法である. しかし, 石灰化病変や高位病変の評価が困難なことや, 術者の技量により差が出る検査法でもある. プラークの進展や不安定化に関与する因子として, 近年, プラーク内新生血管が注目されている. プラーク内新生血管は, 炎症反応の促進や, fibrous capの透過性亢進, アテロームコアの増大, 新生血管破綻に伴うプラーク内出血など, プラークの不安定性との関連が報告されている.
ISSN:0917-074X