服薬に対するネガティブな意識が服薬アドヒアランスに及ぼす影響 - 岩木健康増進プロジェクト健診調査報告
「緒言」服薬アドヒアランスの向上は, 期待する治療効果が得られる可能性を高めることのみならず, 残薬などの無駄な医療費削減の観点からも極めて重要となる. 服薬アドヒアランスが不良となる原因については, これまでも日本人を対象とした疫学研究において様々な要因が特定されている. 疾患を限定した研究として, 外来通院中の糖尿病患者を対象とした添田らの報告では, 「65歳未満」及び「有職者」が, また, 虚血性心疾患の入院患者を対象とした林らの報告では「不規則な食事時間」が特定されている. 一方, 疾患を限定しない研究として, 複数の保険調剤薬局で行われた田中らの報告では, 「年齢(負の相関)」及び「...
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Published in | 医薬品相互作用研究 Vol. 47; no. 1; pp. 10 - 18 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
医薬品相互作用研究会
01.03.2023
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ISSN | 0385-5015 |
Cover
Summary: | 「緒言」服薬アドヒアランスの向上は, 期待する治療効果が得られる可能性を高めることのみならず, 残薬などの無駄な医療費削減の観点からも極めて重要となる. 服薬アドヒアランスが不良となる原因については, これまでも日本人を対象とした疫学研究において様々な要因が特定されている. 疾患を限定した研究として, 外来通院中の糖尿病患者を対象とした添田らの報告では, 「65歳未満」及び「有職者」が, また, 虚血性心疾患の入院患者を対象とした林らの報告では「不規則な食事時間」が特定されている. 一方, 疾患を限定しない研究として, 複数の保険調剤薬局で行われた田中らの報告では, 「年齢(負の相関)」及び「不規則な食事時間」が, 同じく小山内らの報告では, 「60歳未満」, 「有職者」, 「長期にわたる服薬」及び「多剤服用」が, さらに, 単一施設で精神神経科を除く患者を対象とした坪井らの報告では, 「年齢(負の相関)」, 「有職者」及び「アレルギー歴有」が特定されている. |
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ISSN: | 0385-5015 |