膵上皮内癌類似の画像所見を呈した単純性膵嚢胞 (simple mucinous cyst) の1例
「はじめに」近年, 膵嚢胞性病変に関して, simple mucinous cystという疾患概念が提唱された. 今回その定義と一致した嚢胞が急激に増大することにより, 膵上皮内癌類似の画像所見を呈した症例を経験したので報告する. 「症例提示」「患者」: 80歳代, 女性. 「現病暦」: 5年前に腹部超音波で膵体尾部に8mm大の単房性嚢胞を偶発的に指摘された. 嚢胞は緩徐に増大したが, 直近の1年間で径19mmと急速に増大し, 尾側主膵管の拡張が出現したため, 精査目的に入院となった. 「血液検査所見」: Amylase 106 IU/l, CEA 2.8 ng/ml, CA19-9 7.2...
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| Published in | Progress of Digestive Endoscopy(2001年から) Vol. 92; no. 1; pp. 174 - 176 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本消化器内視鏡学会関東支部会
15.06.2018
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| ISSN | 1348-9844 |
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| Summary: | 「はじめに」近年, 膵嚢胞性病変に関して, simple mucinous cystという疾患概念が提唱された. 今回その定義と一致した嚢胞が急激に増大することにより, 膵上皮内癌類似の画像所見を呈した症例を経験したので報告する. 「症例提示」「患者」: 80歳代, 女性. 「現病暦」: 5年前に腹部超音波で膵体尾部に8mm大の単房性嚢胞を偶発的に指摘された. 嚢胞は緩徐に増大したが, 直近の1年間で径19mmと急速に増大し, 尾側主膵管の拡張が出現したため, 精査目的に入院となった. 「血液検査所見」: Amylase 106 IU/l, CEA 2.8 ng/ml, CA19-9 7.2 U/ml, SPAN-1 6.1 U/ml, DUPAN-2 25 U/ml. 「腹部造影CT」: 膵体尾部に径19mm, 11mmの2つの嚢胞性病変を認め, その尾側主膵管は2.4mmに拡張蛇行していた. |
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| ISSN: | 1348-9844 |