予定硬膜切開後の髄液漏の関連因子
「要旨」はじめに: 当科の予定硬膜切開後に生じる髄液漏について調査し成績を比較した. 対象と方法: 対象は75例(男性37例, 女性38例), 平均年齢56.2歳, 平均経過観察期間37.1ヶ月. 疾患, 椎弓切除法(両側もしくは片側), 硬膜処置方法, 術後MRIを調査した. 結果: 疾患の内訳は脊髄腫瘍72例, その他3例であった. 椎弓切除法は両側46例, 片側29例. 硬膜処置法では縫合54例, Vascular Closure System clips(VCS)21例であった. 術後平均3ヶ月時の初回MRIで髄液漏を認めたのは全体で20例(26.6%)だった. 椎弓切除に関して両側1...
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Published in | Journal of Spine Research Vol. 15; no. 12; pp. 1357 - 1361 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脊椎脊髄病学会
20.12.2024
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ISSN | 1884-7137 |
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Summary: | 「要旨」はじめに: 当科の予定硬膜切開後に生じる髄液漏について調査し成績を比較した. 対象と方法: 対象は75例(男性37例, 女性38例), 平均年齢56.2歳, 平均経過観察期間37.1ヶ月. 疾患, 椎弓切除法(両側もしくは片側), 硬膜処置方法, 術後MRIを調査した. 結果: 疾患の内訳は脊髄腫瘍72例, その他3例であった. 椎弓切除法は両側46例, 片側29例. 硬膜処置法では縫合54例, Vascular Closure System clips(VCS)21例であった. 術後平均3ヶ月時の初回MRIで髄液漏を認めたのは全体で20例(26.6%)だった. 椎弓切除に関して両側16例(34.7%), 片側4例(13.7%)で有意な差は認めなかった(NS). 硬膜処置に関しては縫合16例(29.6%), VCS 4例(19.0%)であった(NS). 特にVCSを使用した片側椎弓切除例では1例(6.2%)で, 両側椎弓切除 + VCSの3例(60%)と比べ髄液漏は有意に少なかった(P=0.03). 結語: 髄液漏防止において死腔を減らすことは重要であり両側椎弓切除より低侵襲な片側椎弓切除とVCSを併用した方法は術後の髄液漏の低減になりうると考えられた. |
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ISSN: | 1884-7137 |