口腔領域の小児良性腫瘍-画像診断を中心として

「緒言」小児の口腔腫瘍について多数例をまとめたものを世界で初めて報告したのは, 1963年のBhaskar1)によるものだろう. 対象症例は293例と多く, 病理医らしく病理組織像が詳しく紹介されている. 良性/悪性, 男/女・年齢分布, 発生部位を軟部組織/顎骨/唾液腺と分類し, 組織学的にさらに細分類しているが, その分類方法は現在のWHOの分類とはもちろん異なり, 放射線学的な検討は口内法写真を一部に供覧しているのみであった. Bhaskar以降の英文の報告は, 1990年にKeszlerら2)が259例, 1997年にSatoら3)が250例, 1999年にUlmanskyら4)が19...

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Published in小児口腔外科 Vol. 21; no. 2; pp. 105 - 114
Main Authors 村上秀明, 岸野万伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児口腔外科学会 25.12.2011
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ISSN0917-5261

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Summary:「緒言」小児の口腔腫瘍について多数例をまとめたものを世界で初めて報告したのは, 1963年のBhaskar1)によるものだろう. 対象症例は293例と多く, 病理医らしく病理組織像が詳しく紹介されている. 良性/悪性, 男/女・年齢分布, 発生部位を軟部組織/顎骨/唾液腺と分類し, 組織学的にさらに細分類しているが, その分類方法は現在のWHOの分類とはもちろん異なり, 放射線学的な検討は口内法写真を一部に供覧しているのみであった. Bhaskar以降の英文の報告は, 1990年にKeszlerら2)が259例, 1997年にSatoら3)が250例, 1999年にUlmanskyら4)が190例, 2000年にMaaita5)が172例, 2003年にAl-Khateebら6)が126例についてまとめたが, いずれもBhaskarの報告に準じた構成内容となっている. しかしながら, 小児の対象の上限年齢が各国で異なっていたり, 疾患の分類方法が違っていたり, 嚢胞性疾患や線維性異形成症を対象に含むか否かなど, 各報告で相違がみられた.
ISSN:0917-5261